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Gibson

画期的なソリッド・ボディが持つ魅力と完成された究極のシェイプ

サンバースト・レス・ポールが持つ希少価値と魅力を再発見

  • サンバースト・レス・ポールとは?
  • 1958年〜1960年だけに製造された希少価値
  • 構造とスペック
  • より詳しい情報は専門書籍で!

構造とスペック

サンバースト・レス・ポールの構造/スペック

構造/スペックの一つひとつがサンバースト・レス・ポールのサウンドを構成する重要な要素である。しかし同時にそれらは一要素でしかなく、一部のパーツや構造を同じにしただけでは、同じサウンドを得ることはできない。詳細な構造/スペックは『The Beauty of the Burst』に譲るが、中でも重要なポイントを以下に書き出してみる。

  • アメリカ産のハードロック(あるいはイースタン)メイプルのボディ・トップとホンジュラス・マホガニーのボディ・バック
  • ホンジュラス・マホガニーのネックとブラジリアン・ローズウッドの指板
  • シングル・カッタウェイのボディにネックをディープ・ジョイントで接合
  • ネックの仕込み角度(約3度)とヘッドの角度(約17度)
  • ブラスのブリッジ駒とアルミのテイルピース
  • PAFピックアップ
  • クルーソンのペグ
  • スプラグ社のキャパシター

これらの要素はもちろん、木材の乾燥や硬化の進行具合、配線材、塗装などもサウンドに影響するだろう。『The Beauty of the Burst』では製材時の木取り(切る方向、角度、位置)から、弦振動や倍音構成まで、レス・ポール・サウンドについてこれ以上ないほど詳しく分析されている。写真集として眺めるだけでも楽しいが、レス・ポール・サウンドを深く理解し、手持ちのレス・ポール・モデルを今以上に鳴らし切るために、ぜひ解説ページも含めて読み込んでほしい。

サンバースト・レス・ポールを写真で見る!

『The Beauty of the Burst』では、80本以上58〜60年製ギブソン・レス・ポールをカラー写真で紹介しているが、ここではそのほんの一部を紹介しよう。本誌では細部の拡大写真も掲載しており、鑑賞という意味でも非常に楽しめる内容となっているので、是非手に取ってもらいたい。

  • ▲シリアルナンバー 9 0632。バーストが退色して飛んでしまったレモン・ドロップの例。イースタン・メイプルではフレック(木目に沿って現れる茶色の筋)が出ることがあり、本機でもコントロール側にそれが見られる。

  • ▲シリアルナンバー 9 2314。赤みが退色しつつあるダーク・バースト・トップの例。グラデーションの幅が狭く、この濃さでも退色が進んでいることがわかる。

  • ▲シリアルナンバー 0 1490。タンジェリン・バーストと呼ばれる色の例。赤みの退色が少ない60年代製の特徴を残した1本。

サンバースト・レス・ポールをもっと知る!

『ザ・ビューティ・オブ・ザ・バースト リプリンテッド・エディション』
著者:岩撫 安彦
定価:2,625円(本体2,500円+税)
仕様:A4変型判/224ページ/ポスター付き
発行:リットーミュージック

サンバースト・レス・ポール研究書の決定版を復刻!
 96年にハードカバー版として初登場した『ザ・ビューティ・オブ・ザ・バースト』は、ビンテージ・ギター市場で最も価値の高い58~60年製ギブソン・レス・ポールを80本以上ファイルし、その構造や歴史を詳しく研究した決定本。98年には英語版を発行、世界的な評価を獲得し、今に至るまでサンバースト・レス・ポールのリファレンスとして最も信頼できる一級の資料とされている。
 国内では97年にソフトカバー版を発行して以来、長らく入手困難となっていたが、ネット上などで復刻を望む声が高まり、ついに『~リプリンテッド・エディション』として基本的にはオリジナルの内容のまま復刊することとなった。刊行形態はソフトカバーで、初版のハードカバー版にのみ付いていた特大ポスター(740×500mm)を付録。