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Gibson

画期的なソリッド・ボディが持つ魅力と完成された究極のシェイプ

サンバースト・レス・ポールが持つ希少価値と魅力を再発見

  • サンバースト・レス・ポールとは?
  • 1958年〜1960年だけに製造された希少価値
  • 構造とスペック
  • より詳しい情報は専門書籍で!

1958年〜1960年だけに製造された希少価値

製造期間について

製造期間は、前述の通り1958年の後期から1960年までの2年間。当時の市場はサンバースト・レス・ポールに対して数あるソリッド・ギターの1機種といった程度の認識しかもっていなかったようで、それほど評価されることもなく生産は僅か2年で打ち切られた。

その後、ギブソンは大幅なモデル・チェンジを敢行する。ハイ・ポジションの演奏性に優れるダブル・カッタウェイに、最終フレットまでボディの外に出る形でネックをジョイント。レス・ポールSGとして市場に送り出した。結局、このレス・ポールSGはレス・ポール氏の考えるギターと違うということで、レス・ポールの名前を使用できなくなり、1962〜1963年頃からは単にSGと呼ばれるようになる。

その後、1968年にゴールド・トップのレス・ポールが再生産されるまで、ギブソンの歴史からレス・ポール・モデルは消える。サンバーストのレス・ポール・モデルが再生産されるまでには、さらに長い時を経ることになる。

サンバースト・レス・ポールはなぜ高価なのか?

▲1959 LES PAUL 9 0663
トップの赤味がほとんどなく、グラデーションが非常に小さいというユニークなもの。

サンバースト・レス・ポールはなぜ高価なのか?

わずか2年間の製造期間に生産されたレス・ポール・モデルの数は、一説によると約1700本。その中には58年の途中まで生産されたゴールド・トップも含まれており、サンバースト・レス・ポールの数は1500本とも1200本とも言われている。

かつて、ギターのリペア技術が現在のように普及・認知されていなかった時代には、ギターが壊れたら、例えそれがピックアップの断線やジャックの不良などパーツ交換で済む話であっても、廃棄処分にされてしまうことは珍しくなかった。生産打ち切りの不人気機種であったサンバースト・レス・ポールも、そうした運命をたどった個体があることは想像できる。一説によると、現存しているサンバースト・レス・ポールは生産本数の半分程度ではないかとする意見もある。

一方で、価格の問題を別にすれば、サンバースト・レス・ポールを所有してみたいと願うギター・プレイヤーは世界中に無数に存在するはずだ。それに対して市場に出回っているサンバースト・レス・ポールはほんの数本〜せいぜい数十本だろう。元々の絶対数が少ないうえに、すでに所有している者は余程のことがない限り手放さない。こうなると価格は高騰する一方である。サウンドの良さ、楽器としての美しさ等の要因にプラスして、希少性が価格を押し上げていることは間違いない。1960年のギブソンのカタログによると当時265ドルだったサンバースト・レス・ポールだが、現在、日本国内で所有しようとすればマンションを購入できる位の資金と、購入するための運や巡り合わせが必要だ。

誕生の背景

▲1959 LES PAUL 9 0913
有名な"ブロック・バースト"である。著名なコレクター、ブライアン・ブロックスがオーナーであったことからこの名が付いた。

サンバースト・レス・ポールをもっと知る!

『ザ・ビューティ・オブ・ザ・バースト リプリンテッド・エディション』
著者:岩撫 安彦
定価:2,625円(本体2,500円+税)
仕様:A4変型判/224ページ/ポスター付き
発行:リットーミュージック

サンバースト・レス・ポール研究書の決定版を復刻!
 96年にハードカバー版として初登場した『ザ・ビューティ・オブ・ザ・バースト』は、ビンテージ・ギター市場で最も価値の高い58~60年製ギブソン・レス・ポールを80本以上ファイルし、その構造や歴史を詳しく研究した決定本。98年には英語版を発行、世界的な評価を獲得し、今に至るまでサンバースト・レス・ポールのリファレンスとして最も信頼できる一級の資料とされている。
 国内では97年にソフトカバー版を発行して以来、長らく入手困難となっていたが、ネット上などで復刻を望む声が高まり、ついに『~リプリンテッド・エディション』として基本的にはオリジナルの内容のまま復刊することとなった。刊行形態はソフトカバーで、初版のハードカバー版にのみ付いていた特大ポスター(740×500mm)を付録。