ドラムセットの中でもっとも使用頻度が高く、最も音の個性をアピールしやすい重要なドラムが、このスネアドラムです。また、一番最初に自分で購入するべきドラムでもあります。スネアは気に入ったもので、なおかつ「いいもの」を選ぶようにしましょう。
スネアには、裏側にスナッピーと呼ばれる響線(ひびきせん)がついているという特徴があります。スナッピーとは螺旋状になった針金を数本まとめたもので、ストレーナー(スナッピーを調節するパーツ)でヘッドに密着させたり、離したりすることができます。密着させた状態(スナッピーをオン)で叩くと、振動でスナッピーが響いて、スネア独特のサウンドになります。スナッピーの長さには、ロングスケール(全面当たり)とショートスケール(内面当たり)の2種類があり、全面当たりは大きな音にも小さな音にも反応するという特徴があり、内面当たりには残響音の少ない、はっきりとしたタイトなサウンドを得られるようになります。
※スナッピーは消耗品ですので、スネアの音のキレが悪くなったように感じたり、コイルが切れたり伸びているようなら新しいものに交換しましょう。
スネアの口径は14インチが標準的です。中には13インチや12インチといった小さめのスネアもありますが、口径が小さくなるほど音のピッチは高く、軽い音になります。深さは、3 1/2インチのピッコロ、5 1/2サイズの標準、6 1/2サイズの深胴など、様々な種類がありますが、浅いものは音程が高く、歯切れの良いサウンドになり、深いものは音程が低く、重いサウンドになる傾向があります。
スネアを材質で大きく分けると、メタル・スネアとウッド・スネアの2種類があります。
メタル・スネアはパワーがあり、明るい派手なサウンドを出すのに向いています。ウッドと異なり、湿気の影響を受けにくいのですが、メンテナンスが不十分だと錆びてしまうこともあります。メタル・スネアには主にスティール(鉄)やブラス(真鍮)が使われます。
ウッド・スネアは暖かく落ち着いたサウンドを出しやすいという特徴があります。使い込んでいくうちに木が乾燥して音が良くなるのも特徴のひとつ。メイプルやバーチといった木材が主に使われます。
はじめてスネアを買うという人にむけて、以下のスペックをお勧めします。もちろん、この内容でなければいけないというものではありませんので、あくまでも参考にしてください。
口径14インチ、深さ5~5.5インチ
金属胴→スティールまたはブラス
木胴→メイプルまたはバーチ
3万円以上