先に挙げたハイハット以外のシンバルとしては、ライド・シンバル、クラッシュ・シンバルがあります。
クラッシュ・シンバルとは主にアクセントをつけるためのシンバルで、サイド・シンバルとも呼ばれます。ライド・シンバルよりも小さく薄めで、16~18インチの大きさのものがよく使われます。
一方、ライド・シンバルは主にリズムを刻むために用いられ、トップ・シンバルとも呼ばれます。クラッシュ・シンバルよりも大きく厚めです。大きさは18~22インチが標準です。普通、右手で叩くため、右側にセッティングされることが多いです。
なお、クラッシュ・シンバルとライド・シンバルの区別は用途上の区別であり、機種の区別ではありません。通常、薄めのシンバルがクラッシュ用、厚めのシンバルがライド用として売られています。
シンバルの厚さには、THIN(薄い)、MEDIUM(中間)、HEAVY(厚い)の3種類があります。また、メーカーによってはMEDIUM
THIN(THINとMEDIUMの中間)やMEDIUM
HEAVY(MEDIUMとHEAVYの中間)もあります。
ライド・シンバルの場合、標準的な厚さはミディアムかミディアム・ヘビー。クラッシュ・シンバルの場合は、通常複数枚でセットとして使われることが多いのでどれが標準的とは言えませんが、音楽のジャンルを問わずに使えるのはミディアム・シンとなります。厚さも音量や音色に大きく影響しますので、選ぶ際には十分考慮しましょう。
シンバルは最も試奏を必要とする楽器です。タムタム、スネアなどのドラムは、購入後に工夫をすることでサウンドを変化させることができますが、シンバルは基本的に買ったままの状態で使うしかないのです。また、同じメーカーの同じシンバルでも、音の響きに違いがあります。シンバルを選ぶ時は、慎重に選び、自分が気持ちいいと思ったものを選びましょう。
シンバルには形によって何種類かの違いがあり、それぞれ音量や音色が異なるので目的によって使い分けられています。
中央に盛り上がったカップ(ベルともいう)を持つもので、最も一般的なタイプ。カップ部分を叩くと甲高い金属音になり、演奏に活用される場合もあります。
効果音的に使われる、エフェクト・シンバルとして分類されるシンバルです。エッジの部分が逆に反り返った形をしたタイプのシンバルで、アタック音が大きく、強烈なアクセントなどに使われます。標準サイズは16~20インチ。アタックを強調するために裏返しでセットされることが多いようです。
エフェクト・シンバルのひとつで、6~12インチと小さくて薄いシンバルです。短い音が特徴で、アクセントに使われたり、フィルインに組み込まれたりと、使い方は色々。とても割れやすいシンバルなので使用時には注意しましょう。
エフェクト・シンバルのひとつ。ライド・シンバルの中央の盛り上がった部分(カップ、もしくはベルと言う)を単体で取り出したような小さなシンバルです。”カーン””チン”というハイ・ピッチな音がします。
シンバルをピカピカに磨いている人は少数派のようです。ほとんどの人が、せいぜい乾拭きくらいで、磨くことはほとんどないようです。磨かない理由として、シンバルについた汚れがミュートの働きをして、高い倍音が適度に抑えられて音が落ち着くから、ということもあるそうです。どうしてもシンバルを磨きたい人は、市販されているシンバル・クリーナーを使って磨きましょう。ただし、研磨剤が入っているシンバル・クリーナーを頻繁に使用すると、音質が変わってしまうこともありますので、注意が必要です。
主に有名なシンバルメーカーをピックアップしてみましたので、参考にしてください。
※各メーカー名をクリックすると、デジマートの検索結果画面が表示されます。「 該当する楽器が見つかりませんでした。」というエラーが表示された場合は、シンバルカテゴリにそのブランドのシンバルが登録されていないということになりますので、あらかじめご了承ください。
Zildjian(ジルジャン)
創業の起源は1623年、イスタンブールの錬金術師から始まったという、歴史のあるメーカー。
Paiste (パイステ)
1900年代初頭のロシアに起源を持つメーカー。
Sabian(セイビアン)
もとはジルジャンのカナダ工場だったが、独立したメーカー。
Istanbul(イスタンブール)
ジルジャンのトルコ工場に勤めていた職人によって生産されるブランド。MEHMET(メメット)社製とAGOP(アゴップ)社製のものがある。
TURKISH(ターキッシュ)
イスタンブール社の職人が独立してできたメーカー。
BOSPHORUS(ボスフォラス)
ハンドメイドのターキッシュ・シンバルのメーカーとして有名。
MEINL(マイネル)
ドイツのメーカー。
UFIP(ユーヒップ)
イタリアのブランド。
小出(コイデ)
大阪の国産メーカー。
最後に、はじめてシンバルを買うという人にむけて、以下のスペックをお勧めします。もちろん、この内容でなければいけないというものではありませんので、あくまでも参考として考えてください。
20インチ ミディアム
18インチ ミディアムシン、16インチ シン
14インチ トップ-ミディアム ボトム-ヘビー
8~10インチ スプラッシュ
18~20インチ チャイナ・タイプ