フット・ペダルとは、バス・ドラムを演奏するための道具で、足で踏みつけることによって、バスドラを鳴らします。それでは、フットペダルの各部について解説します。
ストラップには、チェーン式とベルト式のものがあります。チェーン式は力がストレートに伝わり、強度もあります。一方、ベルト式は柔軟性があり、アクションが軽いという特徴があります。どちらを選ぶかは好みで決めれば良いでしょう。
カムは、チェーンやベルトの力を伝える働きをし、形状によって「真円カム」と「偏心カム」の2種類があります。「真円カム」は力の伝わり方が自然で素直な操作性が特徴で、細かいコントロールもしやすくなります。一方、「偏芯カム」は、踏み込んでいくと途中からグッと加速する感じのもので、パワーは出しやすいのですが、慣れが必要です。
フットボードの大きさやデザインは様々です。フットボードの大きさによって踏み心地が変わるので、注意しましょう。滑りやすさも選ぶ時に注意するべき点です。どちらのポイントも、プレイヤーの好みの問題でもあるので、色々と試してみましょう。
アンダープレートはペダルの安定性を高める役割を持ち、カッチリとした踏み心地になります。しかし、中には遊びがなくなるので好きではないとうドラマーもいて、アンダー・プレートがついていないペダルを使用している人もいます。
音に直接影響を当たるピーターは、様々な種類のものが売られています。一般的なのは円柱型のものですが、正方形や球形のものなどもあります。材質も、一般的なフェルトの他、プラスティック、ラバー、木などがあります。フェルトは、深みのある豊かな音が特徴で、フェルトの目のつまりによって硬い音であったり、軽い音が出ます。木やプラスティックの場合は、アタックが強く、硬い音が出るので、ハード・ロックなどの音楽に合っています。
また、ビーターのシャフト長によって踏み心地は大きく変わります。スプリングをゆるくしてもペダルが重い場合は、シャフトを短くセットすれば良いでしょう。逆に、もっとパワーを出したい場合はシャフトを長めにすると良いです。ただし、どちらの場合もビーターがバス・ドラムの打面の中心から離れすぎないように気をつけましょう。また、ビーターを短くしすぎると、シャフト部分でドラムのヘッドを傷つけてしまうので気をつけましょう。
ペダルを選ぶ時に最も大切なことは、実際に踏んで比べてみることです。直感的に踏みやすいと思えるペダルを見つけると良いでしょう。手でペダルを動かしてみても、正しい判断はできません。可能であれば、実際にバスドラムや練習台を使って試奏しましょう。
価格の高いペダルは、当然ながら機能も良く、使い勝手も優れています。ただし、値段が一番高いものが最も自分にとって素晴らしいとは限りません。値段が高くなくてもシンプルで動きが軽いペダルもありますので、十分に試して選ぶようにしましょう。
右足で左側のフットボードを踏み、反対側のリモート・ビーターを動かすことにより、ワン・バスでもツー・バスのように「ドコドコドコ」を連打することができるペダルです。ただし、左右同時に踏み込むボース奏法ができない、ツー・バスに比べて音がタイトになるなどの注意点もあります。