本機のオリジナルであるWah Wah Pedal V846は、ヴォックスが1967年に発表したモデルで、かのウッドストック・フェスティバル(1969年)においてジミ・ヘンドリックスが使用したという、伝説かつ後進の雛型ともなった名機。本機はそのV846を、現代の技術を以て復活させた1台だ。心臓部としてフィルターの役目を果たすインダクター(コイル)には、磁性材料やワイアーの巻き方にまでこだわったビンテージ仕様のHaloタイプを採用。さらに、釜屋電機製のカーボン・コンポジット抵抗や高級仕様のポリエステル・フィルム・コンデンサーなど、厳選パーツであの音色の再現に努めている。これらを、熟練の技術を要する手作業で配線したところも、本機の注目ポイントだ。一点、トゥルーバイパスを採用し、現代的なニーズに応えているのも特筆しておきたい。
Teshima's Impression
高域が上品に出るし、低域もちょうど良い。可変域が上下であまり偏ってなくて使いやすいですね。トリッキーなところもないし、歪みにもよく合います。音の抜けが良いから、ワウにしてはハイファイに聴こえる感じもあるんですけど、言い換えればすごく高品位な音ですよ。ペダルの踏み心地もとても良く、意図通りに動かしやすい。やっぱり基準というか、とにかく使い勝手が良いですし、最初に出会うワウとしてもピッタリだと思います。
可変する帯域も実用的な所に設定されているから、ライヴでもミスが起こりにくいモデルだと思う。ミスっていうのは音が聴こえなくなることで、ワウで可変させる帯域ってバンドの編成によっては特に低域がベースやバス・ドラムに潜ってしまうこともあるんですよ。だけど、これなら戻し切っても大丈夫です。ただ、昔ながらのカチっていうスイッチだし、当たり前だけどLEDも付いていないんで、オン/オフの操作に慣れる必要はあるかもしれないです(笑)。
とにかく、やっぱりこれがスタートで、これを基準に自分の好みを探していけばいいと思います。ワウの音を出したいならコレ。初心者から上級者まで満足できると思いますよ。
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