ここでは、ベースの各部名称とその働きについて解説します。
弦の振動が共鳴する部分で、ピックアップと同じくサウンド・キャラクターにもっとも影響を与える部分。
材質や形状、重さなど様々で、音質だけでなく、弾きやすさにも大きく影響する部分。ベースを選ぶ際には、見た目だけでなく実際に持ってみて、弾きやすそうか判断しよう。
一般的にボディに使われている材とその特徴
アルダー:中域のしっかりしたバランスの良い音。フェンダーのジャズベースなど。
アッシュ:音の立ち上がりや抜けが良く、クリアで締まった音。
ライトアッシュ:アッシュとアルダーの中間のようなサウンド。
マホガニー:暖かみのあるサウンド。
メイプル:硬いサウンドでサステイン(音の伸び)があるサウンド。
弦を押さえて音程を決定する部分。厚みや形に様々な種類があり、それらが弾きやすさに直結するため、ベースを選ぶときには実際に触って弾きやすいか確認したほうが良い。
通常のベースはロング・スケールといって、ナットからブリッジまでの長さが約860mmになっている。この他、ミディアム・スケール、ショート・スケールという、短いものも存在する。サステイン(音の伸び)という面ではロング・スケールよりも不利だが、短いスケールを採用するベースは全体的に小さく軽いので、手の小さい人や小柄な人には向いているかもしれない。
ネックとボディのジョイント(接合)方法は、大きく分けて以下の3通りがある。
一般的に後者になるほどサステイン(音の伸び)が長くなる。
デタッチャブル・ネック
ボディの裏からビスでネックを止めているタイプ。フェンダーのジャズベースなど。
セットネック
ボディにネックを接着剤で貼付けたタイプ。ギブソンのサンダーバードなど。
スルーネック
ボディエンドまで貫通したネックの両側からボディを接着したタイプ。
ネックの先端部分。ヘッドのない、ヘッドレス・ベースというものもある。
弦の一端を巻き付けておくもの。これを回す事でチューニングを行う。このパーツがしっかりとしていないと、すぐにチューニングが狂ってしまったり、安定しないことがあるので、ベースを買うときには注意しよう。
主に1、2弦のビリつきを押さえたり、ナットから弦が外れる事を防ぐために用意されている。また、弦のテンション(張力)を高くする効果もある。
ヘッド側で弦と弦の間隔を決め、固定するためのパーツ。
ナットには、牛骨、カーボン・グラファイト、ブラス(真鍮)などの材質が使われているが、材質の違いが、サウンド・キャラクターやサステイン(音の伸び)に影響を及ぼす。牛骨<カーボン・グラファイト<ブラスの順で長いサステインが得られる。
細い方から1弦、2弦、3弦、4弦と呼ぶ。
※弦についてはこちらも参照
音程を決定するためにフィンガーボードに打ち込まれた金属片。材質や断面形状などによって特性が分かれる。特に断面形状は重要で、フレットの太さ、高さ、形によって弾きやすさが変わってくる。
一般的に、高さがあり、断面形状の先端が三角にとがっているフレットは、ゴツゴツした手触りになり、高さが低く、丸みを帯びた形状のフレットはなめらかな手触りになるとされる。
なお、このフレットがないベースをフレットレス・ベースと呼ぶ。
指板上の位置を分かりやすくするためにつけられた目印。これがないモデルもあるが、あったほうが弾きやすい。
ネックの表側に貼ってある板のこと。
主に以下の材質が使われる。
メイプル:白っぽい色
ローズウッド:濃い茶色
エボニー:黒に近い色
材質により感触やサウンドが変わり、メイプルでは硬くてクリアなサウンド、ローズとエボニーは柔らかめで丸みのあるサウンドである。
木材の他に、カーボン・グラファイトなどの素材を使用したものもあり、メイプルに近い音色が得られ、木材よりも長いサステインが得られる。
指板(しばん)とも言う。
ボディがピッキングなどで傷つかないように守るためのパーツ。
ピックガードがないモデルもある。
ベースからアンプへと伝わる音の出力を変更するためのパーツ。このイラストのジャズベースの場合、ネック側がフロント・ピックアップ用のボリューム、ブリッジ側がリア・ピックアップ用のボリュームとなる。
ベースの音色(トーン)を変えるためのパーツ。高域、中域、低域、 それぞれを別々に変更できるものや、ひとつだけで音色を変えるものなど、様々。
ベースのコントロール部分には「パッシブ・タイプ」と「アクティブ・タイプ」があります。
パッシブ・タイプとは電池を必要としない回路のことで、多くのベースに使用されています。
アクティブ・タイプは電池を必要とする回路で、パッシブ・タイプに比べて幅広い音色を作ることが可能、ノイズが出にくいという特徴があります。
ここにシールド(ケーブル)をつなげて、アンプから音を出す。シールドを接続したときに、アンプからガリガリといったノイズが出て、アウトプット・ジャックに刺さったシールドを動かすとノイズが変化する場合、アウトプットジャックの問題である可能性がある。その場合は修理が必要になることもあるので、購入時には気をつけよう。
ボディ側で弦と弦の幅を調整し、弦を固定するパーツ。弦の高さなどの調整もここで行う。
中古などで、錆がひどくてサドル(ブリッジ上の弦と直接触れる部分)パーツが動かなくなっているものもあるので気をつけよう。
ストラップをとめるためのパーツ。ここがグラグラしているとストラップをかけたときに外れてしまう可能性があるので、購入時には気をつけよう。
ボディ・エンド側のピンはエンドピンと呼ぶ。
ピックアップとはマイクのことで、弦の振動を拾って電気信号に変換するためのパーツ。変換された信号は、ボリューム・コントローラーやトーン・コントローラーを通って、アウトプット・ジャックからシールドを通って、アンプに入り、アンプから音が出る。
ピックアップはボディとともに、サウンドキャラクターに大きな影響を与えるパーツである。
様々なメーカーにより、特徴のあるピックアップを製造しているので、購入後にピックアップを交換することも可能。
なお、ピックアップの位置によっても音色は変化し、ブリッジよりのリア・ピックアップで弾くと音色は固めに、ネックよりのフロント・ピックアップで弾くと音色は柔らかめになる。
ベース購入時には、アンプから音を出してみて、ピックアップが正常か確認しよう。
ピックアップの種類
ピックアップには様々な種類があるが、それぞれサウンド・キャラクターが異なります。
代表的なピックアップの特徴は以下の通りとなります。
ジャズベース・タイプ
クリアでキメの細かい締まったサウンド
プレシジョン・ベース・タイプ
太くてややキメの粗いサウンド
ハムバッカー・タイプ
パワフルでさらにキメの粗いサウンド