アコースティックギターには色々な種類があり、それぞれに向いている音楽性や、形状、用途などが異なります。これからアコギを始めようという方は、それぞれの特徴をよく覚えておくといいでしょう。
アコースティックギターには、大きく分けて以下の種類があります。
ナイロン製の弦を張っているギターのことで、厳密にはクラシック・ギターとフラメンコ・ギター(*1)の2種類がある。
ピックを用いたプレイや、チョーキングを多用するプレイには不向き。
暖かみのある丸い音はクラシック・ギターならでは。
かつては子羊の腸を乾燥させたガット弦が張られていたため、ガット・ギターとも呼ばれる。
(アコースティックギター用語辞典での解説はコチラ)
エレキギターと同じように、スティール(金属)の弦が張られているタイプ。
一般的にはアコースティックギターというと、このフォークギターを指す場合が多い。
(さらに詳しい説明は、アコースティックギター用語辞典をご覧ください)
エレキギター同様に、ピックアップが内蔵されているタイプ。
アンプを使うことができるので、ライブなどではとても便利。
ボディが薄いものもあり、演奏性がエレキギターに近いものも多い。
(さらに詳しい説明は、アコースティックギター用語辞典をご覧ください)
アコースティックギターは、ボディサイズや材質によって演奏性や音量の大きさ、音色などが変わります。
主なボディサイズについて見て行きましょう。
スモールサイズ。
クリアな音色が特徴であり、ボディサイズが小さめであること、ネックのスケールがミディアムであり、弦のテンション(張力)が弱いことから、小柄な人や女性にとって弾きやすい。
OOOのボディにドレッドノートのロングスケール・ネックを組み合わせた、OMモデルもある。
ミディアム・サイズ。
一般的なアコースティックギターというと、このサイズのことを指す。
リードプレイ、バッキングプレイの両方にマッチする。
(より詳しい解説はアコースティックギター用語辞典を参照)
ラージ・タイプ。
大型ボディならではの低音域が特徴で、ストローク・プレイ(ジャカジャカとギターをかき鳴らす奏法)に威力を発揮するタイプ。
(より詳しい解説はアコースティックギター用語辞典を参照)
アコースティックギターは、表板(トップ)の形状によって以下の2種類にわけられます。
表板が平らなタイプのギターを指す。
表板の中心部が盛り上がった形状をしているギタ-を指す。
弦のテンションや、音の伝達がフラット・トップとは異なるため、独特のリバーブ感(残響感)が生まれる。
主にジャズ・ギタリストに好まれ、ピックアップを内蔵しているもの(エレアコ)も多い。
アコースティックギターのボディは、表板(トップと呼ぶ)、側板(サイド)、裏板(バック)から成り立っています。これらの箇所に使用する木材によって、音色に特徴が生まれます。
基本的に高価なギターほど、1枚の板(単板。ソリッドともいう)を使用している。複数の木を張り合わせた合板(ごうばん)よりも、振動がよく伝わり、ギターの鳴りがよくなるためである。カタログに単板であることが表記されていないのであれば、ほとんどの場合合板である可能性が高い。
木材の名称 | 特徴など |
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スプルース | 松の木。まっすぐな木目が美しく、アコギのトップ材としては定番。振動が伝わりやすく、優しく美しい響き。 |
シダー | 杉の木。トップ材としてスプルースの次によく使われる。バランスのとれた音域で、スプルースよりも柔らかめなサウンド。 |
シカモア | カエデの一種。独特の木目が美しい。 |
メイプル | 軽くて柔らかいサウンドが特徴。サイド、バック材としても使われる。エレキギターの材としても有名。 |
ギターの側板(サイド)、裏板(バック)の部分は、単板と合板のものがある。バックは2ピースという、真ん中で同じ材同士を張り合わせたものが一般的。
木材の名称 | 特徴など |
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ローズウッド | 粘り気のあるバランスのとれたサウンドを持つ。サイド、バック材に使われる。 |
マホガニー | 明るくて暖かみのある中域に特徴がある。 |
ハカランダ | きらびやかで艶やかなサウンド。ワシントン条約で輸入禁止となっているため、きわめて手に入りにくい高級材。 |
コア | 固めで歯切れの良いサウンド。トップ材にも使われることがある。 |
ナトー | マホガニーとローズウッドの中間のような材。明るくて膨らみのあるサウンド。 |
※
アコギは電気を使わなくても大きな音が出せるのですが、エレキギターのようにボリュームを調整することができないので、周囲に迷惑をかけてしまうことがあります。夜間の練習は控え、周りの人の迷惑にならないところで練習しましょう。
弦の下にスポンジをはさむことで音量を下げる事ができます(アコギ用の音量をさげるための道具も売っています)が、気持ちのいい音で練習することはできません。
思いっきり弾きたいときは、練習スタジオに入るという手もあります。
写真はネックに巻いて、ギターの音を響かなくするための道具
※1
フラメンコ・ギターはクラシック・ギターと同じような形状だが、サイド、バックに硬い木材を使用している。