マーシャルで長年アンプを開発してきた技術者を中心に、2007年にスタートしたイギリスのアンプ/エフェクター・メーカー、ブラックスター。ブランドとしては新進ながら、培ってきた知識と技術は折り紙付きで、大きな注目を集めているメーカーのひとつだ。
そのブラックスターの日本進出のきっかけとなったのが、真空管を内蔵したエフェクター、HT PEDALシリーズ。本機も、カスケード接続された真空管がゲイン段を担うことで、ハイゲインかつツヤやかな歪みを生み出す、まさにメタル向きのペダルだ。
さらに独立2チャンネル構成のうえ、チャンネル1はクリーン/クランチを選択可能と、場面ごとの対応力も抜群。同社の製品ではおなじみ、US/UKとサウンド・キャラクターを変えられるISFコントロールも搭載している。
野村:歪み! って感じ(笑)。とにかく使い勝手がいいです。特に嬉しかったのは、2チャンネル切り替え型なんだけど1と2というスイッチ構成で、それが連動してオン/オフしてくれる点。普通のエフェクターだとオン/オフとチャンネル切り替えっていうスイッチ構成が多いですけど、これのほうがすごく安心で、ランプが付いているスイッチを踏めばオフになるし、使いたいほうのスイッチを踏めばオンになる。ワン・アクションで使えるっていうのは楽だし、実はすごく大事なことだと思うんです。プレイヤーの側に立って作られてるエフェクターですよ。
歪みは、HT-METAL っていうだけあってかなり激しくもできます。加えてチャンネル1にはクリーンのモードもあるんで、すごく幅広く使えるはず。低音も高音もしっかり出ますしね。真空管も入っているんで、ソリッドステートのアンプに使っても音の芯を前面に出してくれると思います。
あと、ISFコントロールはやっぱり便利で、僕はセンターから少し左寄りの設定が好きですね。ちょっとアメリカ寄りだからハワイぐらいかな(笑)。ただ、電源が22Vなのと、少し大きいのでボードに組み込むには工夫が必要ですね。
[SPECIFICATIONS]
●コントロール:GAIN(Ch1&2)、BASS、MIDDLE、TREBLE、ISF、LEVEL(Ch1&2)、CLEAN/OD切替スイッチ(Ch1)●真空管:ECC83/12AX7 ●入出力:イン、アウト、スピーカー・エミュレーション・アウト ●電源:専用ACアダプター(22V)●サイズ/重量:160(W)×119(D)×80(H)mm/1.2kg ●価格:35,700円