元マーシャルの技術者達が2007年にスタートし、これまでにSeries OneやArtisanなど名に恥じない真空管アンプをリリースしてきたブラックスター。そのブラックスターの新機軸は、意外にもプログラマブル・デジタル・アンプのIDシリーズだ。とはいえやはりこだわっているのが真空管のレスポンス。12インチ・スピーカー2基搭載、2×60Wの本機ID:260TVPには、KT88や6L6、EL34など6種の定番パワー管を再現するTVP機能を内蔵し、特有の歪みやダイナミクス、鳴りを実現している。
また基本サウンドも、クリーンからオーバードライブまで6タイプを備えており、3カテゴリー4タイプの内蔵エフェクトと合わせて多彩な表現に対応可能だ。おなじみ、US/UKを色付けられるISFコントロールももちろん搭載。
野村:アンプのタイプの他にパワー管をシミュレーションで選べて、ちゃんとその違いも味わえるっていうのがいいね。さらに、真空管なしっていうのも選べるっていうのはスゴイ。本来のブラックスターの音ってことなんだけど、堂々としているよ。パワー管シミュレートのほうが音が前に飛んで行く感じで、なしはアンプに近い所で鳴っている感じ。ちゃんと差別化してあるね。なしの時はあまり歪ませない方がいいかも。クランチぐらいの歪みで、内蔵のエフェクトと組み合わせるのがいいのかな。攻撃的じゃないぶん器用に使えると思う。違う例えをすると、シミュレートがクローズ・バックでなしがオープン・バックなニュアンス。すごく楽しめるよ。
僕はオーバードライブ1で、真空管はKT88も捨てがたいけど6L6との組み合わせが好きだな。これはシングルコイルでもハムバッカーでも合うね。あとはやっぱりISFっていうアメリカとイギリスのニュアンス変えられるコントロールだね。これは面白いし、もしアメリカ系とイギリス系のどちらのアンプを買うか迷っているなら、このアンプを買うのもいいと思う。いろいろできるけど、音は作りやすいよ。
[SPECIFICATIONS]
●出力:2×60W ●コントロール:VOICE、GAIN、VOLUME、BASS、MIDDLE、TREBLE、ISF、TVP、EFFECTS TYPE、EFFECTS LEVEL、RESONANCE、PRESENCE、MASTER VOLUME ●本体プリセット数:12(MAXプリセット128)●入出力:イン、スピーカー・アウト(L.R)、MIDI IN、フット・スイッチ・イン、MP3/LINEイン、エミュレーテッド・アウト ●スピーカー:12インチ×2 ●サイズ/重量:686(W)×250(D)×510(H)mm/24.2kg ●付属品:専用フット・コントローラー ●価格:105,000円