1969年、米カリフォルニアの小さなリペア・ショップからスタートしたメサ・ブギー。リペアの経験を元に自作、72年にリリースしたマークIは大きな評判を呼び、以降のマーク・シリーズ、レクチファイアーなどはジャンルを問わず多くのミュージシャンに愛用されている。モダン・アメリカン・アンプの筆頭と言える存在だ。
本機は2007年に発表されたエクスプレス・シリーズの後継で、12インチ・スピーカー1基搭載の50Wモデル。5バンド・グライコやソロ・コントロールなどの新機能が追加され、より多彩なサウンド・バリエーションを表現できるようになっている。
また、本来の50W出力に加え、25W/ 5Wでの駆動も可能。自宅練習時に音量を抑えるのはもちろん、低出力ならではの音色・歪みによる録音なども楽しめる。
野村:メサ・ブギーのイメージ通りの音なんだけど、思ったよりクセがなかったな。すごく素直。スイッチが多くて少し不安になるかもしれないけど、意図がハッキリしているし使いやすいです。流石、アンプを作って何十年の老舗。“とらや”の羊かんのような安心感があるね(笑)。メサ・ブギーのファンはもちろん、これからメサに入門する人も安心して使えると思います。
それと、歪みは予想以上にバランスが良かったな。もちろんちゃんと歪んでいるんだけど、エフェクターで作ったハイゲインな歪みじゃなく、コンボで鳴っている上品さがある。使える歪みなんですよ。ブースターのソロ・コントロールも、ちゃんとボリュームだけ上がってくれるのは嬉しいね。
2つのチャンネルのキャラクターもハッキリしていて、クリーンと歪みどちらもしっかりしている。しかもそれがコンボ・アンプとしてまとまっている。ただ、ピッキングのニュアンスがしっかり出る反面アラも出ちゃうから、ちゃんと弾かないとダメだね。出力切り替えも便利で、僕は25Wの、ギリギリの所でがんばっている感じが好きだな。スーパーカーより乗用車のほうが市街地ではいい、みたいな感じ(笑)。
[SPECIFICATIONS]
●出力:50W/25W/5W ●チャンネル数:2 ●コントロール:GAIN、TREBLE、MID、BASS、REVERB、MASTER、CLEAN/CRUNCH、BLUES/BURN、EQ、PRESET DEPTH、SOLO ●入出力:イン、スピーカー・アウト、フット・スイッチ・イン×5、センド&リターン ●スピーカー:セレッションBLACK SHADOW 12インチ×1 ●サイズ/重量:約581(W)×298(D)×490(H)mm/24.4kg ●付属品:専用フット・スイッチ、フット・スイッチ用ケーブル ●価格:オープンプライス