1975年発表の名機JC-120、95年開発のCOSM技術、2000年発表のVGA-7と現在のCUBEシリーズ。革新的な技術とアイディアでギター・アンプの概念を塗り替えてきたローランドだが、このGA-212でまた次なる段階へと進む。
本機は12インチ・スピーカーを2基搭載した200Wのコンボ・アンプ。これまで同様、核となっているのはCOSMモデリングだが、何々の再現ではなく、培ったデータを元にクリーンからウルトラ・ハイゲインにまで変化するオリジナル・アンプを作り上げている点が新機軸だ。
コントロールもシンプルにDRIVE、VOLUMEと3バンドEQのみ。各々の設定を自動的に記憶し、4チャンネルで使い分けられるというのもストレスがなく実用的だ。未来型JCといった趣のルックスにも、ネクスト・ステージを感じる1台。
野村:やっぱりこの音の広がり感は独特だね。これはローランドのアンプの専売特許です。これだとステージで弾いていても気持ちいいし、アンプの前に立っていてもOK。直線的に音が飛ぶアンプだと、圧がツラい時もあるからね(笑)。僕も長い間JCを使っていたけど、コレが20年前にあったらな~(笑)。
今回は工場出荷時の4つのチャンネルを試したけど、どれも良い。ここから好みでコントロールをいじっていけばいいんじゃないかな。クリーンもヘヴィなディストーションも出せるし、そのメリハリも効いていて、どんなに歪ませても音がダマにならない。今みたいな、そのどちらの音色も必要なバンドにはピッタリだと思うよ。アンプも○○系のモデリングとかじゃないのが潔いね。
あと、ツマミのセッティング位置が光るのも面白かったな。ステージでもよく見えるし、自動的に設定位置を覚えてくれるのもすごい。僕でも使えるデジタル・アンプです(笑)。大体、ギタリストが取り扱い説明書を読むなんておかしい! これは、昔ながらのアンプと同じように使えるっていうのがいいね。懐かしい感じがしないのもいいし、完全にライブ用の、今のアンプですよ。
[SPECIFICATIONS]
●出力:200W ●コントロール:DRIVE、VOLUME、BASS、MIDDLE、TREBLE、PRESENCE、REVERB、MASTER、VOICE、BOOST ●入出力:イン×2、メイン・イン×2、ライン・アウト、EFXループ×2、チューナー/スルー・アウト、フット・コントロール・イン ●プリセット数:4 ●スピーカー:12インチ×2 ●サイズ/重量:715(W)×337(D)×560(H)mm/32kg ●備考:専用フット・コントローラーGA-FC(別売)●価格:オープン・プライス