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サックス編 <1.サックスの基本>

サックスを吹くのは、簡単なの!?

サックスを吹くのは、簡単なの!?

 よく「ギターやベースはすぐに音が出せるけど、サックスなど管楽器はすぐに音が出ないから大変」という話を聞きます。 たしかにトランペットやトロンボーンなどの金管楽器は、マウスピースを口に当ててみてすぐ音が出るかというと、そう簡単にいかないことが多いかもしれません。

 でも、サックスは別なんです。

 大抵の人は、マウスピースをくわえて間もなく音が出せるようになります。 マウスピースのくわえ方が深過ぎたり浅過ぎたりすると、妙に高い音が出たり音が出なかったりしますが、くわえている深さを徐々に変化させていけば、ちょうどいい音の出るポイントが見つかるでしょう。

 サックスでまず「音を出してみる」。 それ自体の苦労は、ギターやベース、ドラムなどとそれほど差はありません。 もちろん「音が出た」だけで、きちんと吹けるようになるには相応の努力が必要ですが、それはどの楽器でも同じく一朝一夕に上手にはなることはありません。でも「管楽器は、音を出すまでが大変……」と思っていて、それを理由に始めるのに二の足を踏んでいる人がいるのだとしたら、それは間違いです。

 音はすぐに出すことができます! サックス未経験の人は、だまされたと思って、楽器屋で試し吹きさせてもらうなり知り合いから借りるなりして一度吹いてみてください。初めて自分で音を出せた瞬間は、きっと感動することでしょう。

サックスの押さえ方は簡単に覚えられる!

サックスの運指表

 右の「運指表」を見てください。これはサックスでどの音程のときにどこを押さえればいいかを示した表の一部です。メインとなる音域のレミファソラシドの約2オクタ-ヴ分を抜粋しました。

 レを見てください。低いレと高いレを比べると、高いレでサックスの裏側の1カ所が追加になった(赤い矢印部分)以外はどちらも同じ押さえ方です。他の音も同様、1オクターブ高い音と低い音の押さえ方はほぼ同じなのです。

 表に示した音よりも低い音、高い音の押さえ方で特別な押さえ方をする場合もありますが、表のような頻度の高い音域に関しては1オクターブ分の押さえ方を覚えてしまえば、2オクターブ分の音域の押さえ方はすぐに覚えられます。 見た目から想像していたより簡単そうじゃないですか?

サックスの語源は?

ベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックス

 サックスは正式名称「SAXOPHONE」。ベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックスによって考案された管楽器です。サックスさんの作った管楽器だからsax+phoneでサクソフォンというわけ。

 金属製であり、見た目の雰囲気から金管楽器のトランペットやトロンボーンの仲間だと思っている方もいるようですが、実は木管楽器で、クラリネットやフルートの仲間になります。

 19世紀、つまり1800年代の半ばに生まれた楽器で、ギターやベース、トランペットなどと比較すると歴史的に新しい楽器と言えます。

サックスにも種類があります

サックスの種類

●ソプラノ・サックス
 本体が直っすぐでネック部分だけが少し曲線を描いている形が一般的なサックス(いわゆる一般的なイメージのサックスと同じ形のカーブド・ソプラノなんてのもあります)。ケニー・Gが使っているのがこのタイプ。

●アルト・サックス
 最も人口が多く、人気のあるスタンダードなサックス。最も吹きやすいタイプでもあり、サイズも大きすぎず小さすぎずの手ごろサイズ。ビバップの巨匠チャーリー・パーカーを筆頭にアート・ペッパーなど代表ミュージシャンは数知れず。

●テナー・サックス
アルトよりもサイズがひとまわり大きく、音域も低い。アルトが女性的な音色だとしたら、非常に男性的な音色のサックス。テナーといえばソニー・ロリンズが有名だが、ジョン・コルトレーンなどもテナーとソプラノを使い分けていた。

●バリトン・サックス
一般的に使われるサックスの中で最も大きく最も低い音域のサックス。重低音部を支える役割が多いが、ソロをバリバリ吹いたりするのも全然アリ。東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦の担当管楽器としても有名。

 

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