鈴木さんは？

僕はね、一番最初のストラトはフェンダーUSAでしたね。

おお～。

今も持ってるけど、79年製で。当時楽器屋の安売りセールがあって、朝早くからならんで買ったんだけど。
今になって思うと、そこの店員さんはUSA製だと知らなかったんじゃないかなと思うんだけど、49,800円だったんだよね。

ええ～！

USA製を49,800円で買ったの？

そうそう。僕が18くらいのときだったんだけど、安かったんですよ。

安すぎです（笑

そう。でもね、色がサーモン・ピンクだったんです。
で、僕はそのときクラプトンが好きだったから、ストラトが欲しくて。で、ストラト買うなら黒だよなって思ってて。
ギター買ったその日に剥離材も買って。次の日に黒く塗っちゃった（笑

も、もったいないことを（笑）

この話をこの間あるギター・ショップに言ったら、今だったら高価で買い取るって言われちゃった（笑）

ピンクだったの？

はい。淡いピンクで。今でもスプリング・カバー開けるとかすかに色が残ってる。
でも、あんまり覚えてないんですよ。1日しか見てないから（笑）

（笑）あの頃は男子たるものピンクのギターなんて持ってると、まわりになに言われるか分からないしね。
でもやっぱり死ぬまでにいいストラトを買おうと思ってますね。
ストラトってギターとして非の打ち所がないというか。ある意味完成されたギターだから。
昔、カスタム・ショップ製のマスターグレード(#1)を弾いてみたことがあって、そのときにすげぇな！って思った。
ものすごくよくできていて、弾いてると自分がうまくなったような気になるんだ。
普段絶対に弾かないな、っていうフレーズが自然と出てくる。
そのときにストラトっていいギターだなって再認識しましたね。

ギターマガジン選曲/監修による、ストラトキャスターのコンピCD(#2)が発売されますね。
その中でも特に思い入れのある、ストラトらしいフレーズは？

すべてがストラトらしいフレーズですね。これ以上はないでしょう！これを聞いておけば間違いない！というものを集めました。
この夏一番の話題！オリンピックをぶっとばせ！ということで。

みんな、テレビの前でオリンピックに夢中にならないで、ストラトの音を聞こう！と（笑）

（笑）でも、ストラトの音って言っても、それぞれまったく違うんですよ。
当然ながら、そのギタリストの持ち味がよく出てる。
ストラトがギタリストの要求によく応えてるっていうか。それだけ懐が広いんだろうね。

アルバムを通して聞くと、野口さんのいうとおり全部音が違うんだよね。ストラトの音なんだけど。
ローウェル・ジョージなんて、僕の中ではストラトっぽいなぁって思うんだけど、リッチー・ブラックモアとかディック・デイルの音も全然違うんだけど、やっぱりストラトの音。ストラトって本当にすごいギターだよね。
あと、このCDの中ではデュアン・オールマンは結構レア音源だよね。知らなかった人多いんじゃないかな。
日本人ミュージシャンのもいいよね。
（鈴木）茂さんの音とか、大村（憲司）さんの音とか、海外モノと比べても遜色ない、いいストラトの音って感じだよね。

ストラトの懐の広さが、数多くのミュージシャンを魅了し、数々の名曲が生まれたわけですね。
ところで、 ストラトキャスターのムック本が復刊されると噂に聞きましたが？

以前出ていた「The FENDER1 STRATOCASTER」(#3)というムック本を多少増補して（2004年の）秋に出します。
カタログのアップデートや、50周年記念モデルのページを加え、ストラトの調整法なども加える予定です。

この本はすでに廃刊になっていて在庫もない状態ですね。
私も個人的に持っているのですが、今回のストラト特集ページを組むのに大変参考になりました。
年代ごとの細かい仕様の違いや、ストラトキャスターが開発された歴史、関係者のインタビューなど盛り沢山で。

以前から問い合わせが多かった本ですが、この度ようやく復刊されることになりました。ストラト・ファンには必須アイテムですよ！

++登場人物紹介
	まつも デジマートスタッフ１号
	ギター・マガジン編集長 野口
	ギター・マガジン副編集長 鈴木

#1　マスターグレード

Fender　マスターグレードシリーズ。
1996年から1999年頃まで発売されていた、ヴィンテージ・リイシュー・シリーズ。

#2　ストラトキャスターのコンピCD

The Masters Of Stratocaster
フェンダー社公認、ギターマガジン選曲/監修のCD。
国内外のストラト・マスター達のサウンドがぎっしりつまったギターファン必聴のCDです。
詳しくはコチラ

#3　the FENDER 1 STRATOCASTER

現在絶版となっている、フェンダー・ストラトキャスターの解説本。
年代ごとの特徴、歴史、など事細かにストラトキャスターについて解説。
2004年秋、復刊です！