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サンバースト・レス・ポールを研究しつくした決定的な1冊が遂に復刻!

レス・ポールの魅力を再発見!
サンバースト・レス・ポール徹底研究!

THE BEAUTY OF THE BURST
サンバースト・レス・ポール徹底研究! | サンバースト・レス・ポールを探せ!

サンバースト・レス・ポールを探せ!

 前述のように、現在ではオリジナルのサンバースト・レス・ポールを入手することは非常に難しい。しかし、あのサウンドに限りなく近いギターを手に入れることは、可能だ。

 それにはギブソンのレス・ポールを入手することが近道だろう。世にレス・ポール・タイプのギターは多く存在するが、オリジナルを作ったギブソンが復刻に本腰を入れ、しかもその復刻度合いは年々高まっているのだからこれを使わない手はない。Historic Collection、VOSシリーズのレス・ポールは、オリジナルのサンバースト・レス・ポールに肉薄した完成度を誇っている。

Gibson Custom Shop Les Paul VOS(Vintage Original Spec)シリーズ

 「それほど弾かれることがなく,ケースに入れてベッドの下にしまってあったギター」、「安定した状況下で長らく展示されていたギター」というコンセプトのもと、2006年にギブソンがビンテージ・ギターの魅力を現代によみがえさせるべく発表したのがVOS(Vintage Original Spec)シリーズだ。材の構成やパーツ、塗装、フィニッシュまで当時の風格を出すために特別な行程で組まれた本器は、ヒストリック・コレクション内のVOSシリーズとして、今もオリジナル・レス・ポールの魅力を現代に語り続けている。

▲2006年に初めて発表された、ヒストリック・コレクション VOS(Vintage Original Spec)シリーズ。年式別に仕様が異なったり、ギブソンのオリジナル・レスポールへの情熱が凝縮されたシリーズ。

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世界100本限定!ヒストリック・コレクションの決定版
『Gibson Custom Shop 1959 Les Paul Factory Burst』

 そして今夏、ヒストリック・コレクションの決定版として、ギブソンが世界100本限定で世に送り出したのが、『Gibson Custom Shop 1959 Les Paul Factory Burst』だ。これまでの59ヒストリック・コレクションとは異なる数々のこだわりが盛り込まれた、まさに珠玉の一本を試奏動画でご紹介しよう。

現在手に入れることができる、最高のサンバースト・レス・ポール!

ボディ・トップ

▲59年当時の工場出荷時を再現したこのモデルための新色。

 世界限定100本の、究極のレス・ポール。それが『Gibson Custom Shop 1959 Les Paul Factory Burst 』だ。実際に手にしてみると、まずは塗装の薄さ・色合いの深みにため息が漏れる。本機には1959年当時のファクトリー出荷時を想定したこのモデルのための新色“ファクトリー・バースト”が採用されており、その“存在感”や“佇まい”は、圧倒的だ。ボディ・サイドやバックにもビンテージと同様の“アニリンダイ・フィニッシュ”手法による着色が施され、厳選された1ピース・マホガニーの美しさが際立っている。そのボディは驚くほど軽く、例えばライブでフェンダー系のギターと持ち替えても、何のストレスもなく演奏できるだろう。

バック

▲サイド、バックはビンテージと同様の"アニリンダイ・フィニッシュ"手法による着色。

 サウンドチェックでは、ピックが弦に当たる瞬間に“コツン”というアタックがあり、その後、サスティンする時に“色を変えながら、ふくらんでいく”ことに気づく──『THE BEAUTY OF THE BURST』誌上で、ビリー・ギボンズや世界のレス・ポール・コレクターが口を揃える、あのニュアンスだ。動画では、0:40~1:30辺りのブルース進行を想定した演奏に表れているのではないだろうか。ピックアップはカラーによって2種類用意されているようで、本機/チェリー・バーストはゼブラ・ボビン・タイプをあえてカバード仕様にしたこだわりの’57クラシック、そしてダーク・バースト・カラーにはカスタム・バッカー・ピックアップが搭載されている。そちらのサウンドも大いに気になるところだ。

ピックアップ

▲チェリー・バーストの本体にはカバード仕様の'57クラシック・ピックアップを搭載。

 チョ―キングした音が、とにかくよく粘る。たった1音弾くだけで、それが心地よい音楽として響く。オリジナル・レス・ポールを愛用するプレイヤーは意外と音数が少ないタイプが多いが、その理由もこのギターを手にするとわかる気がする。 高域から低域までのバランスがよく、ピッキングに対する反応も速い。当然、クリーン・トーンでのソロやカッティングにも十分使える。

 このギターは、ぜひ良いチューブ・アンプで弾いてほしい。そうすれば、初期のクラプトンでも、デュアン・オールマンでも、ジミー・ペイジでも、あなたが「レス・ポール」と聞いて思い描くサウンドは何でも出せるはずだ。あとはもう、演奏する者次第である。なんとも恐ろしく、なんとも魅力的なギターだ。現在入手できる、最高のレス・ポールといっていいだろう。

 

Gibson Custom Shop 1959 Les Paul Factory Burst

▲Cherry Burst(チェリー・バースト)


▲Dark Burst(ダーク・バースト)


【Specification】
●ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:マホガニー/メイプル ●指板:ローズウッド ●フロント・ピックアップ:57 Classic w/zebra coils(チェリー・バースト)、Custom Bucker(ダーク・バースト) ●リア・ピックアップ:57 Classic w/zebra coils(チェリー・バースト)、Custom Bucker(ダーク・バースト) ●コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・セレクター・スイッチ ●フィニッシュ:チェリー・バースト、ダーク・バースト ●価格:801,000円


 

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