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DJに必要なもの

ターンテーブル
【どういうものか?】
DJ機材の代表選手がターンテーブル。アナログ・レコードを再生するためのプレーヤーだ。リスニング用レコード・プレーヤーとの一番の違いは、スライド式のピッチコントローラーがあることと、トルク(モーターの力)が強いこと。つまり、楽器のように操作されることを前提に作られている。

【どういう種類があるか?】
基本的な機能や構造はどの機種もだいたい同じだが、リバース再生やデジタル機能(BPM表示、デジタル出力など)を搭載したタイプもある。縦置きもできるようにスタート/ストップ・ボタンを追加装備したり、33/45/78回転のすべてに対応したもの、LINE出力が可能なものなどもあるので、自分に必要な機能や性能を考えて最初の一台を選ぼう。なお駆動方式はダイレクトとベルトがあるが、安定性がよくメンテナンスがいらないダイレクト・ドライブが主流。また、小型のポータブルタイプにピッチコントローラーが付いたものもあるが、本格的なDJプレイには向かないので、こちらは主にリスニング用と考えた方がいいだろう。付属品(カートリッジ/ヘッドシェル、スリップマット、接続ケーブルなど)も機種によって違うので購入時には要チェック。
「ターンテーブル/プラッター」
ここにレコードを載せて再生する。DJプレイのときは、リスニング時とは逆にレコードを「滑りやすくするため」のスリップマットを敷く(ゴムマットが敷いてあるものは、外しておこう)。トルクの強さも機種で違いがあり、スクラッチを中心とした、激しいプレイをするなら、戻りの速いハイトルクのものがオススメ。

「アーム」
ここにカートリッジを取り付け、レコードの動きをトレースしていく。機種によってストレート、S字、J字などのタイプがあるが、基本的な機能の差はほとんどないといっていいだろう。後方にはバランスウェイトが取り付けられていて、針圧の調整に使われる。

「ピッチコントローラー」
このスライダーを奥に動かせばターンテーブルの回転数は落ち、手前に動かせば回転数が上がる。可変幅は機種によって違い、切り替えスイッチを使って±8~±50%まで数パターン選択できるものもある。デジタル処理により、音程を変えずにテンポを変えるマスターテンポ付きタイプもある。

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CDターンテーブル
【どういうものか?】
CDを使ってDJプレイをするためのプレーヤーがCDターンテーブル。通常のCDプレーヤーとの違いは、演奏中にテンポやピッチの調整などができるように作られていること。CDはスロットから内部に入っていくので、レコード盤のように、演奏中にCDに触ることはできない。ターンテーブルに比べれば省スペース設計で作られているものが多い。

【どういう種類があるか?】
基本的な形や機能はどれも似ているが、機能数はターンテーブルよりも多く、マスターテンポ、再生ポイントメモリー、BPM表示、エフェクター、サンプラー、リバースやループ再生、MP3再生、自動ループ生成などいろいろ。うまく使えば初心者のテクニック不足もサポートしてくれる。また、2つのスロットを搭載したツインCDタイプもあり、2つの曲のBPMを自動的に合わせてくれるものもある。ミキサー内蔵タイプもあるので、さらに省スペースを求める人にはオススメだ。
「ジョグダイアル/プラッター」
機種によって呼び名が違うが、CDターンテーブルではこの部分を「レコード盤」に見立てて、回転数などをコントロールする。プレイ中に静止しているものと回転するものがあり、一概にどちらがいいとは言えないので、自分の好みで選ぶといいだろう(回転するものは止めることもできる)。また、スクラッチ機能があるものは、この部分を擦ってスクラッチする。素材も各社それぞれで、ゴム、プラスチック、アナログ盤と同じ素材など、こちらもさまざまだ。

「テンポコントローラー」
機能はターンテーブルのピッチコントローラーと同じで、ここで曲の再生速度を調節していく。CDではピッチを変えずにテンポを変えることが「普通」にできるので、このような名称で呼ばれている。可変幅はさらにを大きく±100%なんてものもある。

「スロット」
ここからCDを挿入する。多くは、スロットから吸い込まれるようにローディングされるが、トレイに載せるタイプもある。また、CDではなくSDメモリーカードからサウンド・データを読み込める機種もあり、こうなると「メモリーターンテーブル」とも言えてしまう。

→ ターンテーブルとCDターンテーブルを探してみよう

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アナログ盤かCDか
今からDJを始める人がまず迷うのは、プレーヤーを「ターンテーブル」にするか、「CDターンテーブル」にするかだろう。メディアとしてのレコードとCDには、それぞれに良さがあるので、ここで簡単にそれぞれの良さを考えてみよう。

 レコードを使ったプレイのいいところはその操作性と視認性。ターンテーブルに載ったアナログ盤は回転数の微妙な調整がしやすく、カートリッジの位置を視覚でも把握しやすい。使い慣れたアナログ盤なら、曲中の好きな場所に一発で針を落とすことも可能だ。また盤が大きい分、見た目にも“演奏感”があり、パフォーマンスとしてのアドバンテージは上。アナログ盤独特の温かく太い音質や、豊かな低音も魅力のひとつだ。

 一方CDは市場の流通量が圧倒的に多く、楽曲を入手しやすいというメリットがある。普段聴いているCDでもDJができてしまうのは大きな魅力だ。またレコードに比べて傷やホコリ、ソリなどにも強いので取り扱いが楽。持ち運びに関してもCDは軽くコンパクトで、さらにMP3対応機種では1枚のCD-Rに100曲近く収録して使うこともできる。加えて過酷なDJプレイでも音質劣化がなく、自分でコピーやオリジナルCDが簡単に作れるという良さがある。

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DJミキサー
【どういうものか?】
2つのターンテーブルからの音を切り替えたり、ミックスしたりする、いわば司令塔になるのがこのDJミキサー。サウンドをミックスするという意味では、楽器用のミキサーと同じだが、クロスフェーダーによって、より簡単にDJプレイができるようになっている。さらに通すだけで音に独特のキャラクターが加わるミキサーも多く、操作感に加えて音質の違いで選ぶDJもいる。

【どういう種類があるか?】
左右のターンテーブルの音をミックスするだけなら、チャンネル数は2chでOKだが、他にも音源をつなぐ場合は、4 ~6chあたりから選ぼう。また、ターンテーブル以上に形や大きさ、レベルメーターのタイプなどに違いがある。例えばスクラッチをメインにしたいバトルDJは横幅が狭くフェーダーが軽いもの、ハウス系ならロングミックスがしやすいロータリータイプのものなど、DJスタイルやジャンルによっても選択肢が変わってくる。多機能なタイプでは、エフェクターやBPMカウンターを内蔵しているもの、CDターンテーブルとの連動機能を持つものなどがある。
「クロスフェーダー」
ここで、ミキサーの両側に置かれたターンテーブルの音量バランスを調節する。中央にすれば左右のターンテーブルからの音量は同じになり、目いっぱい左に動かせば、左側のターンテーブルからの音だけが出る。スクラッチでは音のオン/オフにも使われる。一番使用頻度が高い部分なのでガタやガリも出やすく、寿命がきたら交換することもできる。また、やや高価になるがデジタル・フェーダーもあり、機種によって光学式、磁気式、非接触タイプなどがある。動きはスムーズになる傾向があるが、必ずしもデジタルが優れているわけでもないので、使用感で選ぶといいだろう。ストロークの長さや重さ、音量変化のカーブなどは機種ごとに違い、重さやカーブ特性を調整できるものもある。

「縦フェーダー」
ここで接続したターンテーブルの音量を調節し、ターンテーブル間の音量バランスをとる。あらかじめGAINやTRIMと呼ばれるつまみと併せて音量を調整しておこう。縦フェーダーの使い方はDJによってさまざまで、ON/OFFのように使ったり、クロスフェーダーを使わずに、ミックス用に使う人もいる。

「EQ(イコライザー)」
通常、2~4バンドのEQが付いていて、3バンドなら低/中/高域の音量が調節できる。細かい音質補正をしたいのなら、バンド数の多いものを選ぼう。EQは通常なめらかなカーブで音質を補正するが、さらにアイソレーターやフィルターが付いているものはバッサリと特定の音域をカットできる。例えばキックの音をすべて消すことだって可能だ。また、写真のようなノブではなくてスライド・フェーダー型もある。

「モニター・セクション」
モニター・セクションはヘッドフォンで聴く音の調整を行うところ。音量や左右のターンテーブルの音のバランスが調整でき、スイッチの切り替えで、外に出ている音を聴くこともできる。EQやミュート・スイッチ、チャンネルやCUEの切り替えが付いているものもある。

→ DJミキサーを探してみよう

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ヘッドフォン
【どういうものか?】
他の機材よりは馴染みのあるヘッドフォンだが、DJプレイでは現在演奏されている音を聴くというより、主に次に鳴らす音の準備に使われる。つまりDJはヘッドフォンで、次の曲を選んだり、スタート・ポイントを探したりしている。鑑賞用ヘッドフォンとの違いは、多少荒っぽい扱いにも耐えられるような頑丈な作り。また、多くが外部の音を遮断しやすい密閉型で、クラブミュージック向けに重低音が出るようになっているところ。

【どういう種類があるか?】
多くは両耳タイプだが、とっさに片耳でモニターすることも多いDJプレイに特化した、片耳タイプもある。また両耳タイプでも、ハウジング部分が180度回転するものは、片耳モニターもしやすい構造だ。また、からみにくいカールコードを使用しているものが主流。


▲片耳タイプ

→ ヘッドフォンを探してみよう(ヘッドフォン全般で検索されます)

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カートリッジ
【どういうものか?】
これがないとターンテーブルは使い物にならない。厳密にはカートリッジはレコード溝の凹凸を電気信号に変える「針」が付いた部分で、それを取り付ける「台」の部分はヘッドシェルと呼ばれるが、総称してカートリッジと呼ばれている。通常ターンテーブルとは別売だが、付属しているものや、ヘッドシェルだけ付いているものなどもある。DJ用のカートリッジは鑑賞用のカートリッジと比べて、丈夫に作られていて、荒っぽいスクラッチプレイでもへっちゃら。

【どういう種類があるか?】
カートリッジによって音質が変わってくるので、DJは自分のスタイルに合うカートリッジを持ち歩くことが多い。実際にミックス向きやスクラッチ向きなどの製品もある。普通シェルとカートリッジは、違うブランドでも組み合わせて使えるが、一体型タイプでは専用のものを選ぶことになる。また、同じ種類のカートリッジでも微妙に音質や音量に個体差があるため、工場出荷時にできるだけ近い2本をペアにした製品もある。カートリッジを持ち歩くときは専用ケースに入れておくと安心だ。

▲一体型タイプ

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スリップマット
レコードとターンテーブルの間に置き、レコードをすべりやすくするためのフェルト製のマットがスリップマット。通常DJ用ターンテーブルには付属してくる場合が多いが、いろいろなデザインのものも売られているので、お気に入りのものに交換して楽しむのもいいだろう。左右違うものを使うときは厚さの近いものを使おう。最近は薄手のものが主流。

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