ファットな低域は唯一無二！
ベース専用の歪みペダル
TRIAL
Parallel 3
[2013/10/4] 文＆試奏：伊藤 大輔／写真：伊藤 大輔
TRIALは高早楽器技術が手掛けるハンドメイド・エフェクターのブランドで、これまでに名機のコピー・モデルからブースター、ファズなどをはじめ、さまざまなペダルを開発している。このParallel 3はベース専用の歪みペダル。ベーシストにとって歪み用ペダルは“低域の減衰感”が問題になることが多い。その問題を解決するため、多くのベース専用の歪みペダルには原音のブレンド機能が内蔵されている。このParallel 3もそんな“原音ブレンド・タイプ”にカテゴライズできるモデルだ。
本機の歪みはOVERDRIVE／DISTORTIONの2種類で、それぞれのレベルと歪み具合（GAIN）で調節して、両者をミックスできる。OVERDRIVEはアンプでゲインを稼いだような丸みのあるサウンド、DISTORTIONは高域にトゲのある過激な歪みが得られる。そして本機の個性的な機能は何と言ってもBOTTOMツマミだ。いわゆる低域に特化したブースト機能だが、フルチューブのアンプで作ったようなブーミーな質感を加味できるので、先述のOVERDRIVEやDISTORTIONと組み合わせれば、歪ませつつも過激なほどにロー・エンドを保持でき、個性的な歪みを作ることが可能だ。オススメのセッティングはOVERDRIVEとFUZZを足しつつ、BOTTOMでかなりローを強調した“ファズ・サウンド”。ストナー・ロックなどにはうってつけのチリチリ感のある歪みと重低音がこれ一台で簡単に作ることができる。
また本機はクリーン・トーン用のブースター／プリアンプとしても使えるのもポイント。この場合は多少コンプがかったような粒立ちの良いサウンドが得られ、スラップはもちろんピック弾きから指弾まで幅広いシチュエーションで使える。ミュート・スイッチやチューナー・アウトなどの実用的な機能も十分。数あるベース専用歪みペダルの中でも、この音の太さは格別なので、図太い歪みを欲するベーシストは要チェックだ。
TRIAL
Parallel 3
[SPECIFICATIONS]
■コントロール：バイパス、オーバードライブ（ゲイン、レベル）、ディストーション（ゲイン、レベル）、ボトム、マスター・ボリューム、ミュート・スイッチ、エフェクト・スイッチ■入出力端子：インプット、アウトプット、チューナー・アウト、電源■電源：ACアダプター or 9V乾電池■外形寸法：134（W）×95（H）×58（D）mm■重量：360g■重量：260g
価格：32,550円
