1978年に発売されたミュージックマン初のデュアル・ハムバッキング・モデル=セイバーが新たに“Classic Sabre”として発売された。本器を実際に手にとって見ると、2バンドEQ&1ボリュームという3ノブ仕様のコントロールをはじめ、ミュート付きのブリッジ、グロス・フィニッシュのネックなど、“Classic”という名前から想起できる往年のミュージックマン時代のスペックを確認できた。それ加えてジョイント部分で調整が可能なトラスロッド機構やコンペーンセイテッド・ナット、強固な6点止めジョイントなど、比較的新しい同社の機能を導入しているのもポイントだ。心臓部であるピックアップは新開発のクラシック・ミニハムバッカーを搭載し、ネック側とブリッジ側でポールピースの数が異なり、それぞれ16(ネック)/8(ブリッジ)となっている。
ミュージックマン特有のガッシリとした太めのネックは安定感も良く、パワフルに弾きたくなる印象だ。何といってもSabreはピックアップ・セレクターで5種類のポジションを選択できるので、同社のスティングレイなどと比較してもサウンド・バリエーションが圧倒的に広いのが魅力だ。ブリッジ側のピックアップのみをセレクトすれば金属的なスティングレイのようなサウンド、フロントのみを使えばレゲエなどに向いたファットなトーン、両方を選択すればジャズ・ベースのようなキャラクターも生み出せる。とは言っても、全体的には70年代のミュージックマンを彷彿させる、立ち上がりの早い硬質なサウンドが本器の強みと感じた。
このようにビンテージのミュージックマン・サウンドを確実に再現しつつも、現代的なスペックによる取り回しの良さも兼ね備えた最新型Sabre。ミュージックマン好きはもちろんのこと、幅広いジャンルに対応するオールマイティなアクティヴ・ベースとしてもオススメしたい。
ネックはヴィンテージのSabreを彷彿させるグロス・フィニッシュで仕上げられている
コントロール部分もヴィンテージのミュージックマンと同様の2バンドEQ&1ボリュームという仕様。ピックアップ・セレクターは5段階からセレクトが可能だ
トラスロッドはジョイント部分に配置される。ネックを外さずに調整できるのがとても便利
ブリッジはヴィンテージのミュージックマンと同様のミュート機構付きのブリッジを採用。スポンジの左隣のネジを回すことでミュート具合を調節できる