アメリカのロカビリー系ミュージシャンを中心に人気が高まっているBLAST CULTから、ホロー・ボディでビグスビー搭載という珍しい仕様のVタイプが登場した。
ロカビリーに強いブランドのイメージと、TVジョーンズ・ピックアップ搭載ということから高域のキレの良いグレッチ的なサウンドを想像していたが、実際に音を出してみるとカラッとしているが極端にクリスピーではない。かといって、’58年にフライングVを発売したギブソンのようなトーンでもない、独特なトーンだ。
このギター、実は裏は緑色。ヘッドのデザインも個性的だ。Fホールの位置も、通常よりかなり下。ジャックの位置も変わっている。それと、ビグスビーの取り付け方が凄い。なんだかもう、個性の塊のようなギターで、とにかく圧倒される。ネックとボディのジョイントが深いためハイ・ポジションの演奏性は通常タイプのVに譲るが、ネックの握りやフレットの処理は良好で、弾きにくさは全く感じない。
人と違うギターを持ってステージに立ちたいという人に、強くお勧めしたい。ロカビリー系以外の人も、チャレンジしてみて欲しいギターだ。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アンブロジア・メイプル(トップ)、ルイジアナ・サイプレス(バック)■ネック:メイプル■指板:ローズウッド■フレット:21■ピックアップ:TVジョーンズ製TVクラシック×2■コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・トグル・スイッチ■ペグ:ヒップショット・ロッキング・タイプ■ブリッジ:チューンOマチック&ビグスビー■カラー:スワンプ・クーラー(写真)、サンバースト
価格:451,500円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。