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ミニ・ハム3基とヴァイブローラ―!
ゴールド・パーツが映えるスーパー・ゴージャスなファイアーバード

Gibson Custom Shop
1965 Firebird VII Reissue Golden Mist Poly

[2013/10/1] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊(*印のみ)

 本器は、ギブソン・カスタム・ショップ設立20周年を記念して作られた1965年製のファイアーバードVIIのリイシュー。“ゴールデン・ミスト”という独自のカラーに、ゴールドのパーツ類が映える。ミニ・ハムバッカーを3基搭載し、ロング・タイプのマエストロ・ヴァイブローラを装備。黒々としたエボニー指板には、大きなポジション・マークが光る。何から何まで、ゴージャスなギターだ。

 その音色は、ミニ・ハム搭載機らしいシャープさと、ネックの太さに起因すると思われるファットさが同居したサウンド。ブルースや、ブルース・ベースのロックとの相性は抜群だろう。

 とにかく、このギターのネックは太い。個人的に所有したものに、試奏だけしたものも加えると数百本のギターに触れた経験があるが、本器より太い&厚いネックに触った記憶がない。一時期所有していた70年代のファイアーバードも驚くほど太いネックだったが、これはその上を行くような気がする。はっきり言えば、弾き手を選ぶだろう。だが、それでいいと思う。

 誰が弾いても扱いやすく、どんな音楽にも合うギターを目指して作られたものではない。この見た目に惚れこんで、どうしてもこれが欲しいという人が手にすべきギターだ。本器には、防塵カバーや取り扱い手袋まで付属している。愛情を持って接しないと応えてくれないギターなのだ。


Gibson Custom Shop
1965 Firebird VII Reissue Golden Mist Poly

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:マホガニー■ネック:9プライ・マホガニー/ウォルナット■指板:エボニー■フレット:22■ピックアップ:ミニ・ハムバッカー×3■コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ■ペグ:バンジョー■ブリッジ:マエストロ・ビブラート&ABR-1■カラー:ゴールデン・ミスト
価格:863,100円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。