引きずるように重いローと金属的なハイが特徴
爆音で鳴らしてほしいトニー・アイオミ・シグネチャー・アンプ
Laney
TI100 Tony Iommi Signature
[2013/9/19] 文＆試奏：井戸沼 尚也／写真：星野 俊
ヘビィメタル界の超大御所、ブラック・サバスのトニー・アイオミ・シグネチャー・アンプがレイニーから発売された。70年代からレイニーの愛用者であるトニー・アイオミ・サウンドの集大成ともいえるアンプだ。
電源を入れると真空管が光り、それがヘッドのパネルにデザインされた十字架を赤く照らす。これはテンション上がりますよ！SG持ってきてよかった！！日頃はやれワー・ワー・ワトソンだ、デヴィッド・T・ウォーカーだと言っている私も、ブラック・サバスは好きなのだ（告白）。興奮するなと言っても無理である。
肝心のサウンドは、聴いての通り、こってりと深く歪む。ローは重く、ハイは意外と金属的に響く。リズム／リードの2チャンネルにブースト・スイッチが付いているが、どのチャンネルでも十分すぎるほど歪む。これでリフをザクザク弾くと気持ちがいい。歪みのキメが細かいので、ハイゲインでソロをバリバリ弾きたいテクニシャン・タイプのプレイヤーにも喜ばれそうだ。
真空管はパワー管に6L6が搭載されているが、面倒なバイアス調整をせずにEL34に交換できるバイアス・スイッチがリア・パネルに装備されている。もしかしたら、初期のサバスが好きな人には、EL34の方が合うかもしれない。ぜひ、音圧で服がはためく位の爆音で弾いていただきたいアンプだ。
Laney
TI100 Tony Iommi Signature
[SPECIFICATIONS]
【ヘッド】■出力：100W■チャンネル：2■真空管：ECC83×8（プリ部）、6L6×4（パワー部）■コントロール：プリ・ブースト・スイッチ×2、プリ・ブースト・ツマミ×2、ボリューム×2、ドライブ×2、トレブル×2、ミッド×2、ベース×2、エンハンス×2、プレゼンス×2、ボリューム×2、チャンネル出力切替スイッチ、バイアス切替スイッチ（EL34／6L6）、FXリターン・ゲイン・ツマミ■入出力端子：インプット、FXループ（センド／リターン）、パワー・アンプ・イン、プリ・アンプ・アウト、スピーカー・アウト×5、フットスイッチ、SYMリンク（イン／アウト）■外形寸法：678（W）×288（D）×271（H）mm■重量：21.5kg■付属品：フットスイッチ
価格：119,800円（ヘッド）
【別売キャビネット】TI412S：■スピーカー：セレッションG12H×4■外形寸法：771（W）×358（D）×756（H）mm
価格：149,100円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也（いどぬま・なおや）
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター／エディターの2本立てで活動中。
