レギュラーはもちろん、ドロップ、オープン、ユーザー・プリセットまで各種チューニングを自動で行ってくれる話題の機能“Min-ETune”を搭載したレス・ポールを試奏する機会に恵まれた。
まずはやはりチューニングから。好みのチューニングを選択して弦をピッキングすると、ペグがギュインギュイン動いてチューニングがピタリと合う!面白い!チューニングが合うまでの時間も短くて、ほんの数秒で済む。これならライブで曲の間にギターを持ちかえたり、自分でチューニングを直したりするよりずっと早い。チューニングの精度も高いと感じた。オープン・チューニングを多用するスライド・プレイヤーや、曲によってダウン・チューニングの種類を使い分けるようなヘビイなバンドのプレイヤーにはかなり嬉しい機能では?
というわけで、オープンでスライドをプレイしてみる。チューニングはオープンEだ。続いてレギュラーの半音下げチューニングで歪んだソロを試す。サウンドはまぎれもなくレス・ポール。様々な場面で使える、あの音だ。最後に再びオープンEにして、クリーン・サウンドでプレイ。ここではコイルタップでシングル・コイルのサウンドにしている。アルペジオがよりクリスピーに響いているのがわかるだろう。
試奏ではオリジナルのチューニングというところまでは踏み込めなかったが、これを使って新しい何かを生み出すこともできそう。単に便利だという以上の、可能性を感じさせてくれるギターだ。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ■ネック:マホガニー ■指板:グラナディーロ ■フレット:22 ■ピックアップ:オープン・コイル57クラシック×2 ■コントロール:ボリューム×2(プッシュ/プル)、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ■ペグ:Min-ETune ■ブリッジ:クローム・チューンOマティック ■カラー:ビンテージ・サンバースト、アルペン・ホワイト・バースト、トランスルーセント・エボニー、ワイン・レッド(写真)
価格:271,950円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。