聞くところによると、ちまたではジャガーよりジャズマスターの方が人気があるという。ジャガーはこんなに良いギターなのに、なぜだ!?フェンダーカスタムショップの日本限定のジャガーを、弾いてみた。
まずはクリーン・トーンで古臭い感じのコード・チェンジをちらり。すごく雰囲気が出る。ジャガーといえばサーフ・サウンドというイメージだが、それだけではなく、古めのポップスのバッキングなんかにやたらと合うサウンドだ。
次に歪ませてリフをかき鳴らす。こういうのも、いける。次に再びクリーン・トーンで、古い感じのリフ。それにミュート・スイッチを入れる。音のニュアンスがかなり変わり、実に面白い。このミュート・スイッチ、要らないという人がほとんどだと思うが、独特のニュアンスが出せるので、ぜひ積極的に使ってみて欲しい。動画では歪ませて、ミュートはこのスイッチに任せて無責任にブリブリ弾いてみた。
フェンダーのギターの音には共通の“らしい”トーンがあるが、その中でもジャガーは、独特な金属的なニュアンスがあって、それが非常に心地よい。60年代、70年代の音楽が好きなら、1本持っておきたいギター。私も、ジャガーが欲しくなった。困った。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アッシュ ■ネック:メイプル ■指板:ローズ ■フレット:22 ■ピックアップ:62ジャガーNKフラット・マグネッツ(フロント)、62ジャガーBRGフラット・マグネッツ(リア) ■コントロール:ボリューム、トーン、プリセット・コントロール、ピックアップ・オン/オフ・スイッチ、ローカット・スイッチ ■ペグ:ビンテージ ■ブリッジ:アジャスタブルJAG/JAZ ■カラー:ホワイト・ブロンド
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:455,000円前後)
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。