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伝統的なトゥワング・トーンと現代的な演奏性を両立!
テレキャスターの今を表す2013年限定モデル

Fender Custom Shop
2013 Closet Classic Tele Pro Rosewood

[2013/5/23] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 フェンダーカスタムショップの2013年限定テレキャスターを弾いてみた。製品名の“プロ”は“プロフェッショナル”ではなく“プロトタイプ”を意味するそうで、ビンテージを基本にして従来なかった要素を加えブラッシュップしたギターだ。

 早速、クリーン・トーンで弾いてみる。まずはリア・ピックアップ。金属的だが耳に痛くない高音域、引き締まったタイトな中・低音域など、まさにテレキャスターのトゥワング・トーンとはこれのこと。次にフロント・ピックアップ。暖かく、抜けが良いトーンはファンキーなカッティングに最高だ。

 続いて、アンプで歪ませてみる。動画では結構深く歪ませているが、高音域の艶やかさはやはりテレキャスターならでは。サスティンが良いギターなので、弾いていて非常に楽だ。贅沢なクォーター・ソーン(柾目)のネックがサスティンに影響しているのかもしれない(それだけではないと思うが)。

 本機はニトロセルロース・ラッカーで仕上げられた渋いサンバーストにローズウッド指板というオーソドックスな仕様を基に、ビンテージより大きなRの指板と高さのあるフレットで演奏性を高め、より正確なオクターブ・ピッチの調整ができるよう3・4弦部分だけが独立して動く特殊なブリッジ駒を採用している。

 ビンテージ系のテレキャスターの佇まいに現代的なアイデアを盛り込んだ、まさに“今のフェンダー・テレキャスター”だ。現役の、“今のプレイヤー”に弾いてもらいたい。

Fender Custom Shop
2013 Closet Classic Tele Pro Rosewood

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アッシュ ■ネック:メイプル ■指板:ローズウッド ■フレット:22 ■ピックアップ:カスタムショップTwistedシングルコイル・テレ×2 ■コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ペグ:ビンテージ・タイプ ■ブリッジ:RDSデザインドHi-Mass ■カラー:3カラー・サンバースト(写真)、ホワイト・ブロンド、ブラック
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:406,000円前後)

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。