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トーン、チューニングが瞬時に変わる新世代のモデリング・ギター
録音もライブもこれ1本でOK!

Line 6
James Tyler Variax JTV-89F

[2013/5/9] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 Line 6のジェームス・タイラー・ヴァリアックスの新作は、非常に完成度の高いモデリング・ギターだ。ギブソン、フェンダーなどの歴史的名機をモデリングした29種のサウンドと、11タイプのチューニングを瞬時に切り替えることができる。その実力の全てを限られた時間で見せることは難しいが、動画から、無限の可能性の一端を感じることはできると思う。

 まずは、“SPANK”の音色を選択。これは、ストラトキャスターそっくりだ。次に、“LESTER”。これはレス・ポールにそっくり。“SEMI”は、そのまま、セミアコ系のギターを思わせる。レス・ポール・モデリングのサウンドより、少し軽やかなのがわかるだろう。まだまだあるが、ここでは最後に“ACUSTIC”。これまでのエレクトリック系とはまったく違う音色だ。これを、ライブでハウリングなしで再生できて、ソロも弾き放題になるのはこのギターの強みだろう。チューニングの変化も瞬時にできるので、ライブで楽器を持ち替えずにガラッと雰囲気を変えるといったこともできそう。

 このギターは、スタジオでも威力を発揮するはず。レコーディング中に違う音色が欲しい場合、ギターを変え、それに合わせてアンプやエフェクターをチョイスし直し、セッティングし、ネックの感触が変わったことによる若干のウォーム・アップをし……とやっていると、あっという間に時間が経つ。このギター1本を、プラグインにつないでしまえば、それで万事OKだから、スタジオ系のプレイヤーにも重宝がられるだろう。

Line 6
James Tyler Variax JTV-89F

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:マホガニー ■ネック:メイプル ■指板:ローズウッド ■フレット:24 ■スケール:648mm ■ピックアップ:PAFスタイル・アルニコ・ハムバッキング×2、グラフテック・ピエゾ・システム ■コントロール:ボリューム、トーン、モデル(29タイプ)、オート・チューン(11タイプ)、5ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ペグ:シールド・ペグ ■ブリッジ:フロイド・ローズ・ライセンス・グラフテック・ダブル・ロッキング・トレモロ・システム ■カラー:ブラック、ブラッド・レッド ■付属品:ギグバッグ、追加バッテリー、充電器、ケーブル・キット
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:155,000円前後)

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。