近年、プロ・ギタリストのペダル・ボードで見かける機会が多いMAD PROFESSOR。新製品の本機は、オーバードライブとディレイが合体したお得なペダルだ。「マルチを持ち歩いているけど、結局使っているのはオーバードライブとディレイくらい」というような人にとっては、待ちに待ったペダルだろう。
例によって、素のヘナヘナ・クリーンから弾き始め、ドライブをオン。なるほど、キメの細かい上質なオーバードライブで、MAD PROFESSORの人気が高いのもうなずける。
次に、つまみを回してディレイをかます。ディレイのサウンドも、アナログライクな暖かい音色で、オーバードライブ・サウンドとの馴染みも良い。ペダル上にあるディレイのつまみはレベルのみ。ディレイ・タイムやリピート数は、裏蓋を開けて内部のトリム・ポットで調整する必要がある。これを面倒だと感じるか、潔いと感じるかで、このペダルに対する評価は大きく変わりそうだ。ただ、皆さん、本当にライブで曲ごとに、BPMに合わせてディレイ・タイムを調整しているのだろうか?
おススメの使い方は、アンプでクランチさせて、このペダルの後にリバーブ(アンプに付いているのでもOK)を入れ、バッキング用の歪みと潤いを作っておいて、ソロの時に本機をオン! 粘りと湿り気が一気に増して、一蹴りでデイブ・ギルモア気分を味わえる。
[SPECIFICATIONS]
■コントロール:ボリューム、トーン、ディストーション、ディレイ ■入出力端子:インプット、アウトプット ■電源:9Vアダプター、9V電池 ■外形寸法:67(W)×112(D)×48(H)mm ■重量:約460g
価格:35,000円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。