1970年代、エアロスミスのジョー・ペリーが手にしていたタバコ・サンバーストの1959年製レス・ポール。その後、ガンズ&ローゼスのスラッシュの手に渡り、再びジョー・ペリーの元に戻ったというロックの歴史に残る伝説のギターを、ギブソン・カスタム・ショップが完全に再現した。
まず目を引くのは、その色味。ビンテージ・レス・ポールの多くがレモンドロップ系やハニー・バースト系に退色していく中で、タバコ・サンバーストはかなり珍しい。それをしっかりと再現している。
音を出してみると、そのサウンドは甘く太い、しかし高音域もしっかりと出た素晴らしいもの。ボリューム操作やピッキングに対するレスポンスの良さが際立っている。これは良いレス・ポールに共通の特徴だ。こうした特性からジョー・ペリー所有の実物も頻繁にボリューム・コントロールされたに違いなく、ボリュームつまみの周りの塗装が落ちており、本機もその点まで再現されている。動画では、歪みの深さやサスティン、音の“とがり具合”をタッチ一つでコントロールできることが確認出来るだろう。
ジョー・ペリー・ファンはもちろん、純粋に良いレス・ポールが欲しい人にもお勧めできる1本だ。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ■ネック:マホガニー with メイプル・スプライン ■指板:ローズウッド ■フレット:22 ■ピックアップ:カスタムバッカー(アルニコ III)×2 ■コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ■ペグ:クルーソン・デラックス ■ブリッジ:ABR-1 ■カラー:フェイデッド・タバコ・サンバースト
価格:1,401,750円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。