見た目に加えてサウンドまでレリック処理!?
ビンテージ所有者にお勧めのジャガー・タイプ

Nash Guitars
JG-63

[2013/4/2] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 エンドース契約をしないことで知られる、ナッシュ・ギター。ということは、キース・リチャーズもデイヴィッド・ギルモアもジョー・バナマッサも、みんな自腹で買っているわけだ。凄い。

 そんなナッシュが、これまでは「納得いくレベルで作れなかったから」出さなかったというジャガー・タイプを発表。早速、試奏してみた。

 弾いた瞬間、「あー、これはいいギターだな」と感じた。ナッシュといえばレリック処理でも知られているが、本機は見た目だけではなく、サウンドまでレリック処理されたようなビンテージ風味。ジョイソン・ローラー製のピックアップは、枯れたシングルコイルの味わいのまま、パワフルなトーンからジャガーらしいジャリジャリのトーンまで、豊かな表情を見せる。

 ローラー・ブリッジや角度を付けたネックの仕込みを採用することで、プレイヤビリティやピッチの面では、明らかにビンテージよりも改善されている。

 本物のビンテージを所有しているが気軽に外に持ち歩けない、またはビンテージのサウンドは好きだがもう少し弾きやすければと悩んでいる人に、ぜひお勧めしたい。

Nash Guitars
JG-63

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アルダー ■ネック:メイプル ■指板:ローズウッド ■フレット:22 ■ピックアップ:ローラー×2 ■コントロール:ボリューム、トーン、プリセット・コントロール、ピックアップ・オン/オフ・スイッチ×2、プリセット・スイッチ、フェイズ・スイッチ ■ブリッジ:ローラー・ブリッジ&バズ・ストップ ■ペグ:クルーソン・タイプ ■カラー:3T(写真)、BLK、CAR、OWT
価格:275,000円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。