歪ませても腰が砕けないナイス・トーン！
センターブロックを採用したゴダンのセミアコがリニューアル
Godin
Montreal Premiere
[2013/4/2] 文＆試奏：井戸沼 尚也／写真：星野 俊
ゴダン唯一のセミアコースティックモデルMONTREALが全面的にリニューアルした。まず外見が、ナイロン弦モデルからの流れを汲んでいたゴダンらしいボディスタイルから、オーソドックスなものへと大変身。イメージ的には、全く別のギターになったようだ。
ワンカッタウェイのボディシェイプなので、一瞬“フルアコ”かと思うが、センターブロックが入ったセミアコである。そのセンターブロックは、独自構造のスプルースのものだとか。センターブロックの違いがどの程度トーンに影響を与えるのかは正直分からないが（実験できないので……）、本機が歪ませても腰が砕けない、実に良いトーンを持っているのは見てのとおり。歪んだ音とこれだけ相性がいいのは予想外だった。伸びやかで艶があって、ロベン・フォードのような演奏もできるのではないだろうか、私にはできないが。
これまでのゴダンの印象はモダンで、なんとなく自分には縁がないような「先進的過ぎるブランド」のような気がしていたが、今回の試奏で「ごく普通のギターを、高いクオリティで作るまっとうなブランド」というイメージに変わった。食わず嫌いはいけない。勉強になりました。
Godin
Montreal Premiere
[SPECIFICATIONS]
■ボディ：カナディアン・ワイルド・チェリー（トップ）、“ブレス・スルー”カーブド・スプルース・コア（サイド＆バック） ■ネック：マホガニー ■指板：ローズウッド ■フレット：22 ■スケール：629mm ■ピックアップ：カスタム・ゴダン・ハムバッカー×2 ■コントロール：ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ペグ：クルーソン・タイプ ■ブリッジ：グラフテック・レゾマックス・ブリッジ・システム ■カラー：サンバースト（写真）、トランス・レッド、ナチュラル、トランス・ブラック ■付属品：ギグ・バッグ
価格：オープン・プライス（市場実勢価格：189,000円前後）
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也（いどぬま・なおや）
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター／エディターの２本立てで活動中。
