“何もあきらめない本当の楽器作り”に挑戦しながら、リーズナブルな価格が好評なKTR。待望のセミ・アコースティック・ギターが登場したので、早速試奏してみた。
まずはクリーン・トーンでピックアップの特性をチェック。フロント、ミックス、リアの順でカッティングしてみる。甘さの感じが、ちょうどいい感じ。フロントでもしっかりハイが出ているし、ミックス時のチャンキーさはファンクに最適な音だ。リアで弾いても耳に痛くない。
セミアコの中には甘すぎる機種(ハイが出ない)や、固すぎる機種(ふくよかさが足りない)があり、特になぜか国産のセミアコには音が固いものが多いが、本機はとてもバランスが良いと思う。作りの良さはもちろんだが(フレット周りの処理とかネックのグリップとか)、オリジナルのKTRピックアップが影響しているのだろう。
少し歪ませて、もう少し歪みを深くして、と段階を経ながら試奏していったが、歪みを深くしてもしっかりと音に腰があるので、ブルース系だけではなく轟音のロック・バンドでも使えそうだ。エフェクターのノリも良さそうなので、出来れば大好きなペダルを持参して試奏してみて欲しい。セミアコを初めて買うという人、メインギターは決まっているがセミアコも1本欲しいという人には、特におススメだ。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:メイプル ■ネック:サウス・アメリカン・マホガニー ■指板:エボニー ■フレット:22 ■スケール:625mm ■ピックアップ:KTRオリジナル×2 ■コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ ■ペグ:ゴトーSD90-SL ■ブリッジ:ゴトーGE104B ■カラー:ブラック(写真)、チェリー(ローズウッド指板、128,000円) ■付属品:ギグバッグ
価格:135,000円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。