ブートレッグのオーバードライブ、Rock'n Roll Partyがバージョンアップした。こちらも同時期にバージョンアップしたプリアンプ/ブースターのGain Helperと同様に、トーンが付いてより多彩な音色を作りだすことができるようになっている。
まず、アンプはクリーンでコードのリフを弾き、途中から本機をオン。アンプ直では“どクリーン”だが、本機だけで良い感じに歪む。これならJC等の歪まないアンプにつないでも、かなりハードな音楽でなければ十分いけそう。そのまま、アンプの状態をほんの少しクランチにして、本機でブーストしてみる。同じリフを弾いても歪んだ時の密度がグッと濃くなったのがわかるだろう。それでも、シングルコイルのニュアンスはちゃんと残っているのが良い。
本機のゲインをさらに上げて、単音でプレイ。歪みがより濃くなっているが、リア・フロントともピッキングのニュアンスはしっかり出る。コンパクトのオーバードライブはどうしてもレンジがミドルに集まって狭くなりがちだが、レンジが広いままなのも良い。途中でオフにしているので、これ単体でどの程度歪んでいるかがわかるのではないだろうか。
その後、コントロールのつまみを調整してみたので、音の変化量もイメージが付くはずだ。どの設定でもきめ細かいオーバードライブが出せる良いペダルである。ただ、コントロールの名称が「ALL」と「NIGHT」というのはわかりにくい。片方がボリューム、片方がゲインだが、大音量のチューブ・アンプに繋いでいるとどちらを操作しても一方に影響が出るので、白紙の状態から試奏するにはありがたくない名称だ。購入者にはマニュアルが付くはずなので問題ないだろう。
[SPECIFICATIONS]
■コントロール:オール、ナイト、SW-Tone ■入出力端子:インプット、アウトプット ■電源:9Vアダプター ■外形寸法:82(W)×110(D)×44(H) ■重量:350g
価格:25,200円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。