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個性的なセラドン・グリーン・カラーにレリック加工が施された
演奏性も非常に良好な59テレキャスター

Fender Custom Shop
1959 Heavy Relic Telecaster

[2013/2/22] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 “テレキャスター大好き!”な私だが、この色は初めてみた。セラドン・グリーンというそうで、なんとも個性的な色。本機はさらにレリック加工まで施されていて、凄い雰囲気を醸し出している。

 例によって、ピックアップを変えながら、クリーン・トーンのカッティングで試奏を開始。セレクターのスイッチを手前から順に倒しながら、甘さとシャープさが同居したフロント、チャンキーなミックスで弾いた後、3番目、やけに太い音になったのがわかるだろうか?その後、4番目には「ああ、リアだ」という音が出てくる。4番目?そう、このテレはスイッチが3ウェイではなく4ウェイになっており、3番目のポジションではリアとセンターが直列で配線されるのだ。そこで、グッとパワー感が上がる。極端にチャキチャキしている4番目のリアの音と比較すると、その違いは歴然だ。パワフルだがテレらしさも失っていない直列トーン、これは使える!通常の3種類の音もカラッカラに乾いたような良質なテレ・トーンで、クランチ気味でのコード弾きには最高だ。

 演奏性も、非常に良好。太すぎないグリップ、極端すぎない指板のR、やや太めのミディアム・ジャンボ・フレットと、大抵の人が弾きやすいと感じる仕様になっている。

 見た目は個性的だが、サウンドそのものはテレキャスターの王道で、さらにバリエーションが付けやすいオマケまで付いてくる。人と違う、良いテレが欲しい人にはたまらない1本だろう。

Fender Custom Shop
1959 Heavy Relic Telecaster

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アルダー ■ネック:メイプル ■指板:メイプル ■フレット:21 ■ピックアップ:トゥイステッド・テレ・シングルコイル(フロント)、ノーキャスター・シングルコイルウ(リア) ■コントロール:ボリューム、トーン、4ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ブリッジ:ビンテージ63テレ with スレッショルド・サドルズ ■カラー:セラドン・グリーン
価格:オープンプライス(市場実勢価格:588,000円前後)

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。