フェンダー・カスタムショップから、オリジナリティ溢れるジャズマスターが登場した。そもそも、これをジャズマスターと呼んでいいのか、個人的には疑問な位、ぶっ飛んでいる。ボディ・シェイプが違い(リバース?)、ピックアップが違い、ブリッジも違うので、当然サウンドも違う。これはほぼ、違うギターでしょう。ただし、だからダメだということでは、もちろんない。むしろ「おお!かっこいいギターだな」というのが第一印象。早速、音を出してみた。
初めは、クリーン系のカッティングでチェック。なるほど、確かにフェンダーの音ではあるが、TV Jonesのピックアップのせいか、かすかにグレッチ系の香りもする。それと、ネックが太くて驚いた。ほぼ丸太ん棒。これは好き・嫌いが分かれるかもしれない。
次にアンプのゲインをグッと上げて、あの有名なリフを弾いてみた。オリジナルのリフの音より、ハイが上がっている感じ。よりエッジが効いて、これはこれでかっこいいと思う。ソロを弾いてみても、高音域の伸びや艶が良い。
このギターは、やはりライブで使うと映えるだろう。他の人が持っていない、自分のトレードマークとなるようなギターを探している人にお勧めしたい。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アッシュ ■ネック:メイプル ■指板:メイプル ■フレット:21 ■ピックアップ:TVジョーンズ・パワー・トロン×2 ■コントロール:ボリューム(プッシュ/プッシュ)3ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ペグ:シュパーゼル ■ブリッジ:クロームド・ブラス・ブリッジ・プレート with ソリッド・ステンレス・スティール・サドルズ ■カラー:ブラック
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:560,000円前後)
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。