　多機能・高音質でお馴染のメサ・ブギのエクスプレスに、さらに新機能が加わり、音質の改善も図られたのがこの最新モデルExpress＋だ。EL84～6L6とパワー管そのものを切り替えて出力を調整できるMulti-watt機能や、Markシリーズを思わせる5バンドイコライザーなどが追加され、クリーン・トーンのS／N比などが改善されているという。

　さっそく弾いてみようとフロント・パネルを覗き込む。クリーン、クランチという2モードのチャンネル1と（大まかに考えると、バッキング系）、ブルース、バーンという2モードのチャンネル2（こちらはソロ系）の、4モード・2チャンネルで、それぞれにゲイン、トレブル、ミドル、ベース、リバーブ、マスタ―がある。さらにコンツアーや、見せ場に合わせた音量をプリセットできるSOLOコントロールなど、スイッチ類が山ほど付いている。これは、時間をかけて仲良くなる必要がある……といっても1日アンプを抱えてスタジオにこもれば、十分に使いこなせるはずだ。

　動画では“地の音の良さ”程度しか紹介しきれていないのが恐縮だが、よりきらびやかになったというクリーン・トーンや、メサ／ブギ・ファンにはお馴染みの伸びのあるリード・トーンは十分に感じとれるだろう。レクチファイヤーのようなモダン・ハイゲイン系ではなく、もっとオーソドックスなサウンドだ。フットスイッチでチャンネル切り替えはもちろん、リバーブ、EQ、SOLOスイッチなどがコントロールできるので、ライブでの使い勝手の良さは最高だろう。

Mesa/Boogie
Express 5:25+

[SPECIFICATIONS]
■出力：25W／15W／5W ■真空管：12AX7×5（プリ部）、EL84×2（パワー部）■コントロール：ゲイン×2、トレブル×2、ミッド×2、ベース×2、リバーブ×2、マスター×2、グラフィックEQバンド、クリーン／クランチ切替スイッチ、ブルース／バーン切替スイッチ、プリセット・デプス×2、ソロ、チャンネル切替スイッチ、出力切替スイッチ×2 ■入出力端子：インプット、EQ、ソロ、リバーブ、チャンネル、エフェクト・ループ（センド／リターン）、スピーカー・アウト×3 ■外形寸法：480（W）×285（D）×450（H）mm ■重量：20.4kg
価格：オープン・プライス（市場実勢価格：198,000円前後）

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也（いどぬま・なおや）
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター／エディターの２本立てで活動中。