エレクトロ・ハーモニックスから、ディスト―ション、アナログ・コーラス、アナログ・ディレイの3機種が合体したマルチ・エフェクター『Tone Tattoo』が発売された。今時のマルチにしては、組み合わせをプリセットできるわけでもなければ、液晶パネルが付いているわけでもない。しかし、あのエレ・ハモの、ド定番3機種の合体なのだ。文句がある人はいないだろう。サウンドを聞けば、このエフェクターの凄さが心に彫り込まれる。
まずはディスト―ション。Metal Muffの名前通り、ビッグ・マフのメタル版そのもの。5弦、6弦あたりが「グボー」とか「ブモ―」とか鳴くマフ直系の音から、3弦あたりが永遠にサスティンしそうな音まで、エレ・ハモらしさ満点である。さらにNeo Cloneコーラス、Memory Toyディレイも、これぞアナログ、これぞエレ・ハモとしかいいようがない。音の濁り具合までが、絶妙だ。
それぞれ単体で使ってもおいしいが、併せてさらにオカシな音を作ることもできる(もちろん、美しいアナログ・トーンも)。合体機種の強みで、音質劣化とは無縁なところも嬉しい。もし『Tone Tattoo』を3台直列で使うギタリストがいたら、どんなサウンドでどんなプレイになるのか。ぜひ見てみたいと思う。
[SPECIFICATIONS]
■コントロール:【Memory Toy】ディレイ、ブレンド、フィードバック、ゲイン【Neo Clone】レイト、デプス【Metal Muff】ボリューム、ドライブ、トレブル、ベース、スクープ(ハイ/ロー/オフ)、ゲート、スレッショルド ■入出力端子:インプット、アウトプット ■電源:9VDCセンター・マイナス・アダプター(付属)■外形寸法:144(W)×119(D)×60(W)mm ■重量:650g
価格:36,750円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。