Big Tex Guitarsはブルース・ロック系ギタリストの聖地・テキサスで、ビンテージ・ギターをレプリカしている新興メーカー。“ZZトップのビリー・ギボンズが所有”と聞くだけで、気になるマニアも多いであろう。
本機は、60年代前半のテレキャスターをベースにしたモデル。エッジがしっかりと立ったボディにレリック加工が施され、実に“顔立ち”が良い。ネックグリップは気持ち太めのU字型。フレット周りを含めた仕上げが絶妙なのか、太さは全く気にならない。指板のRはフラットで、少し高めのフレットが打たれ、現代のプレイヤーも納得の弾き心地だ。
本機を手にして驚くのは、その軽さ。個人的に本家ビンテージを含め10台近くのテレ・タイプを所有してきたが、本機より軽いテレは手にしたことがない。
各ピックアップはハイパワーではないがしっかりと腰があり、アンプの選択と設定次第ではレス・ポール・ライクなサウンドも作れそうだ。試奏環境の中で最高だったのは、フロントとリアのミックス・ポジション。適度な太さと軽やかさが同居したサウンドは、カッティングでも単音弾きでも非常に気持ちが良く、いつまでも弾いていたくなる音だった。
[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アッシュ ■ネック:メイプル ■指板:ローズウッド ■フレット:21 ■ピックアップ:ローラー・アルコニ3テレ×2 ■コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・セレクター ■ペグ:ゴトー・クルーソン・タイプ ■ブリッジ:3ウェイ・スパイラル・サドル ■付属:ギグバッグ
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:281,400円)
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。