ルックス、サウンドも50'sの風合い。ツマミはボリュームとトーンのみ。
気軽に楽しめる小型チューブ・アンプで新しい音作りに挑戦。
Fender
Pawn Shop Special Greta
[2012/09/27] 文＆試奏：井戸沼 尚也／写真：植田 山月
1950年代のラジオ風のルックスが可愛い小型アンプ。一見するとアンプヘッドのようだが、４インチスピーカーが内蔵されたコンボアンプだ。タッチに反応するスピードメーター風の“Clean to Overload”インジゲーターも楽しい。プリに12AX7、パワーに12AT7を搭載した珍しい仕様で、サウンドもオールディーに仕上げられている。ツマミはボリュームとトーンのみ。音決めは非常に簡単だ。
早速プラグインして弾いてみると、ボリュームを少し上げるだけで簡単に音が歪む、というか“割れる”。かなりダーティーな感じの歪み方で、幅広いジャンルに対応できるサウンドとは言い難いが、ブルースやスライドギターには非常によくマッチする。ローファイなサウンドが求められるオルタナ・ロックや、脱力系のポップスのレコーディングでも重宝するだろう。個人的には、ラップスティールやエレクトリック・マンドリンをプラグインしてみたい。
部屋に置いておくだけでも楽しいが、実は裏面にあるAUX INにiPodなどを繋いでチューブ・サウンドを得ることも想定しているとか。このルックスに惑わされず、ぜひ新しい音作りにトライしてみて欲しい。
Fender
Pawn Shop Special Greta
[SPECIFICATIONS]
■出力：2W ■真空管：12AX7（ECC83）×1（プリ部）、12AT7（ECC81）×1（パワー部） ■スピーカー：スペシャル・デザイン・スピーカー（4インチ） ■コントロール：ボリューム、トーン ■入出力端子：インプット、スピーカー・アウト（8Ω以上）、ライン・アウト、AUXイン ■外形寸法：254（W）×184（D）×171（H）mm ■重量：3.95kg
価格：27,300円
[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也（いどぬま・なおや）
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター／エディターの２本立てで活動中。
