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続いて現社長、最高経営責任者であるマイク・メンチに登場してもらった。ハーバード大学でMBAを取得したインテリでありながら、作曲・編曲・演奏のプロとして活動していたこともあるという才人である。
●Line 6の、会社としての現在の方向性は?
我々にとって最も新しいエリアのひとつがギター・ワイアレス製品です。ワイアレスの世界においても再び、デジタルならではの利便性と素晴らしいパフォーマンスを生み出しました。また、より“ 進化的” であることも重視しています。その好例が最新世代のアンプであるDT50です。
デジタル・モデリングやデジタル・エフェクトを組み合わせるという、これまで我々が生み出してきたコンセプトをさらに進化させ、ユーザーの求めるサウンドに応じて物理的な回路を変更できる、アダプティブ(適応型)な構造になっています。ギタリストへ高い自由度を提供できるうえ、妥協は最小限に抑えられています。レコーディング環境だけでなく、ステージ上のギタリストも、デジタル・モデリングやデジタル・エフェクトをフルに活用できます。長年向上させてきたモデリングのクオリティをさらに向上させるというのも、やはり重要な進化です。最新のPOD HDシリーズにも搭載されたHDモデリングは、その最たる例ですね。
我々はモデリングのパイオニアであり、最も初期からモデリング方法を研究し、より深く理解しています。ユーザーからは、好き嫌い含めて、継続的にフィードバックを得てきました。アンプ・モデルはLine 6のコアであり、それを今後も向上させていくことは非常に重要だと思います。長い年月にわたり、ギター・アンプ・モデルやエフェクトの膨大なライブラリーを構築し、またそのルーティング方法を研究してきました。例えばDT50とPOD HD500はどちらも単独で使用できる製品ですが、両製品を接続することでマルチ・エフェクト・ペダルの自由度とDT50の妥協のないパフォーマンスの両方を完全に統合でき、過去には実現できなかったようなことが可能になります。我々のテクノロジー・ライブラリーを活用し、ギタリストがクリエイティブな作業を行なうためのツールを作り上げることが重要なのです。
当社のミッションは、すべてのミュージシャンに自己表現をする方法を提供するような“変容を実現する” 製品を作り出すことにあります。ミュージシャンが音楽を生み出すことに集中できるような、サイズや用途、価格帯の異なる製品を生み出していきます。
●POD HDとDT50は、そもそも接続性を念頭にデザインされたのですか?
両製品とも、他方を念頭にデザインされました。最初の段階から、エフェクト・ペダルとして、またアンプとして重要なことを実現するだけでなく、お互いにコミュニケートできる製品にするよう考えられていました。以前のフラッグシップ・アンプであったVetta は、モデリング、ルーティング、同時にアンプ2 台を使える機能、エフェクトなど驚異的な能力を搭載していましたが、ユーザーはそうした機能へボタンやノブ、ディスプレイでアクセスする必要があったため、アンプに搭載されるリグ全体をコントロールするのが難しい場合もありました。
また、ステージ上でゲインを少し上げたり、トレブルを少し絞ったりなど、セッティングを素早く変更する作業を1台だけで実行するのは難しいものでした。そこでDT50は、ステージ上でギタリストが素早く反応できるものとし、そのパワーと自由度、ルーティングはPOD HD上へ搭載するようにしたのです。両方を組み合わせて使用した際に、その効果が最大限に発揮されるようにしました。
●日本市場についてはどのように考えていますか?
まずLine 6製品に関して、日本市場には素晴らしい潜在力があると思います。日本はテクノロジーを迅速に取り入れることで知られていますし、エレクトロニクスなどに順応することに関しては、大抵の場合にリーダー的な存在になっています。携帯電話、ソーシャル・ネットワーキングなどは日本で大変な成功を収めていますし、その適応も素晴らしいスピードで進みます。Line 6は、それまでの常識を打ち破るような製品を開発しますが、日本市場はそれに対して非常にオープンかつ寛容ですね。また、日本にはロックを受け入れる伝統があると思いますし、ロックに対するパッションもあります。日本のミュージシャンの、ロックの伝統的なサウンドや楽曲、パフォーマンス、カルチャーに対する思い入れと、それを現代のテクノロジーで実現することへの理解は、まさにLine 6のような会社には適していますね。
もちろん日本市場で成功を収めるには、住宅事情や交通事情などを理解することも必要であり、それはLine 6にとってはチャレンジですが、日本市場特有のニーズにこたえる製品の実現化は会社にとってプラスだと思います。まだLine 6はPODの会社だと思われている方もいると思いますが、そうした方々へバラエティ豊かな製品ラインナップを紹介していくのが楽しみでもあります。
●日本の読者へメッセージを。
Line 6製品を信頼し、愛用いただいているすべての皆様に感謝の意を表したいと思います。今後も自己を表現し、クリエイティブな音楽を生み出すことのできる、革新的な製品をお届けしたいと考えています。ぜひ音楽への情熱をエンジョイして下さい。その手助けとなる製品を提供できるよう、我々も努力を続けていきます。それこそがLine 6のミッションです。