その大きさからは信じられないサウンドをたたき出す超小型アンプ!
自宅での練習や宅録に最高

Hotone
Purple Wind

 近年流行のコンパクトタイプのエフェクターの中でも、一際小さいボディが注目を集めているHotoneのペダル。もちろん小さいだけでなく、通常タイプのペダルにまったくひけをとらないサウンドの質の高さが人気の秘密だ。同ブランドから、今度は超ミニ・タイプのアンプ・ヘッド「ナノ・レガシー・シリーズ」が登場。本機は、同シリーズの中でもビンテージMarshall Plexi SuperLead 1959のサウンドに近いと評判の「Purple Wind」だ。

 早速、音を出してみる。キャビネットは12インチ1発、スピーカーはセレッションのビンテージ30だ。まずは、シングルコイル搭載のギターでチェック。どアタマの部分、手元のボリュームを上げていくと、歪みが深くなっていくところが、実にアンプっぽい……というか5W/クラスABの歴としたアンプなので当然だ。ただし、目も前にある実機のコンパクトさを見ると、やはり信じられない思いがする……。ジミ・ヘンドリックスのリフが心地よく弾ける。ピッキングの強弱に対する反応も良好だ。

 ギターをハムバッカー・タイプに変えると、パワーがある分、歪みも深くなる。今回はシングル/ハム、どちらも直結で弾いたが、実際のマーシャル・ユーザーがよくやるように、オーバードライブやファズでブーストしてやると、もっとかっこいい音が作れそう。本機からスピーカーへの出力は、4Ω~16Ωに自動対応し、4×12インチの大型キャビネットでも使用できる。その場合は、さらにマーシャルに近い音になるだろう。

 本機が実力を発揮するのは、自宅での練習やレコーディングだろう。この大きさなので、宅録には最高だ。ライン出力も装備しているので、PCの横に置いておけば使い勝手がよさそうだ。VOXタイプの「British Invasion」とあわせて、要注目のミニ・アンプといえるだろう。

  • 440g、128(W)x 75(D)x 59.5mm(H)の超コンパクト・サイズ。本当に小さい!

  • Hotone / Purple Wind

Specifications

●出力:5W●コントロール:ベース、ミドル、トレブル、ゲイン、ボリューム●入出力端子:インプット、スピーカー・アウト(4〜16Ω)、FXループ(センド/リターン)、AUXイン、ヘッドフォン/ライン・アウト●外形寸法:128(W)×75(D)×59.5(H)mm●電源:18VDCアダプター●重量:440g
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:13,000円前後)

製品情報・問い合わせ:オールアクセス

「Hotone / Purple Wind」で商品を探す

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)

大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。