新製品を試奏動画で紹介!New Gear Showcase

Fender
Cabronita Telecaster Thinline

フェンダーの個性派カブロニータ・シリーズにシンラインが登場! “グレッチー”なトーンのテレキャスター

 フェンダーの個性派カブロニータ・シリーズに、シンライン・モデルが登場した。グレッチのフィルター・トロン風の外観を持つ“Fideli’Tron”ピックアップを搭載、しかもホロー・ボディとくれば、グレッチ風のサウンドを連想してしまう。

 試奏してみると、やはり想像通りのトーンだった。フロント/センター・ミックス/リアのピックアップ・ポジションの選び方によって、“カリッ”または“プリッ”としたニュアンスを持つブライトな高音域(だが耳に痛くはない)と、ホロウ・ボディによって良い意味で削れた低域(と超高域)が特徴で、特にクリーン~クランチでセンター・ポジションを選んだ時に最も“グレッチー”な感じがした。とはいえ、テレキャスターらしいニュアンスも忘れてはおらず、両方の良いところ取りという感じで、面白いギターだ。

 このギターで深めの歪みでソロを取る人はあまりいないかもしれないが、試しにやってみたところ、独特のバイト感、フロントでも甘くなり過ぎないトーン等が心地よく、意外にも好印象。実は守備範囲が広いギターだとわかった。

 イメージとしては、ギター・ボーカルの人がコード弾きやアルペジオに使うと本機の持ち味が活かせそう。でも、ここぞという時にはソロも十分いける。人と同じテレキャスターは嫌だというへそ曲がりな人に、大推薦だ。

  • フェンダー・オリジナルのFideli’Tronピックアップ。やはりグレッチ的な香りのするトーン。

  • ボリュームと3ウェイ・トグル・スイッチのみの、超シンプルなコントロール。

  • 弦は裏から通す、伝統的なテレキャスターの仕様。

  • ボディの6弦側にだけある、Fホール。シンラインの例を持ち出すまでもなく、実はテレはホロー・ボディと相性がいいギターだ。

  • Fender Cabronita Telecaster Thinline 製品画像

    Fender / Cabronita Telecaster Thinline

Specifications

●ボディ:アッシュ●ネック:メイプル●指板:メイプル●フレット:22●スケール:648mm●ピックアップ:フィデリ・トロン・ハムバッキング×2●コントロール:ボリューム、3ウェイ・ピックアップ・セレクター●ブリッジ:6サドル・ビンテージ・スタイル・ストラト・ストリングス・スルーボディ・ハードテイル●ペグ:スタンダード・キャスト(シールド)●カラー:2トーン・サンバースト(写真)、ショアライン・ゴールド、ホワイト・ブロンド
価格:122,000円(+税)

製品情報・問い合わせ:山野楽器/フェンダー

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[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)

大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。