1894年の創業から今年で130周年を迎えるギブソン。このたび、レスポール・ギターの生みの親レス・ポール氏の妻にして人気ミュージシャンであった、メアリー・フォードのシグネチャー・モデルが登場した。

　メアリー・フォードは、先駆的なミュージック・アイコンとして1950年代初頭に活躍したレコーディング・アーティスト。彼女の生誕100周年を迎える記念すべき今年、メアリー・フォードの残した音楽の功績に敬意を表し、シグネチャー・モデル「Mary Ford Les Paul Standard（メアリー・フォード レスポール・スタンダード）」が発売された。
　1924年7月7日、アイリス・コリーン・サマーズとして生まれたメアリー・フォードは、優れたギタリスト、ボーカリスト、女優であり、1950年代初頭に活躍したレコーディング・アーティストの一人。キャリアの初期にはカントリー・ミュージック界で成功を収め、その後ジーン・オートリーやエディ・ディーンとのつながりを通して、ギブソンのアイコンであるレス・ポール氏と出会い共演、1949年に結婚した。このレス・ポールとメアリー・フォードのデュオは、1951年だけで600万枚以上のレコードを売り上げ、1950年から1954年にかけて、16曲ものトップ10ヒットを記録。このヒット曲でメアリーは、マルチトラック・レコーディングとオーバーダビング（当時としては画期的なレコーディング技法）を駆使し、その豊かで滑らかな歌声による完璧なハーモニーと、カントリー、ジャズ、ポップスをシームレスに融合させた多彩なギター・プレイを披露した。
　1951年、メアリーとレス・ポールはカスタム・オーダーしたES-295ホロウ・ボディのデザインを考案し、メアリーはそれを頻繁に使用していた。1958年には、メアリー・フォードのリクエストにより、ES-295スタイルのフローラル・ピックガードとアーム・レストがマッチしたレスポール・ゴールド・トップ・モデルが1本製作されたとのこと。今回リリースされた「Mary Ford Les Paul Standard」は、その唯一無二のオリジナルをベースにしている。
　「Mary Ford Les Paul Standard」はゴールド・トップ・フィニッシュに、ゴールド・トップ・モデルとしては珍しいビンテージ・チェリー・バックがアクセントとなっている。クリームとゴールドの花柄のピックガードとアーム・レストに加え、メイプル・キャップのマホガニー・ボディ、ローズウッド指板とスリムテーパー・プロファイルのマホガニー・ネック、そしてピックアップはネック・ポジションにバーストバッカー2、ブリッジ・ポジションにバーストバッカー3を搭載。20世紀でもっとも愛され、革新的なアーティストの一人を讃えるモデルとなっている。ハードシェル・ケースが付属。

メアリー・コリーン・ウェス（メアリー・フォードとレス・ポールの娘）のコメント

　私は、このたび母の才能があらためて認められたことに感激しています。もし母が生きていたら、きっとこの素晴らしい栄誉を共に喜ぶことができたでしょう。本当にありがとう、ギブソン！