楽器店大賞2024〜全国の楽器店&一般ユーザーが選ぶ今年の楽器とプレイヤーが決定!
- 2024/11/01
電子ピアノ/ギター/クラリネット
楽器店員の立場から楽器の素晴らしさを多くの人に広めたいという想いで設立された「楽器店大賞」。第4回となる本年度は、「全国の楽器店員が選ぶ今年の楽器」4点、「全国楽器店員がお薦めする楽器にまつわる作品」1点、そして「店員とお客様が選んだ今年のプレイヤー」5組が大賞を受賞。2024年10月21日にヤマハ銀座スタジオにて行われた表彰式の模様をレポートする。
「楽器をもっと世の中に広めたい」「多くの人に楽器を始めてほしい」という想いより、2021年に一般社団法人 全国楽器協会が設立した「楽器店大賞」。4回目の開催となった「楽器店大賞2024」では、「全国楽器店員が選ぶ今年の楽器」部門(ピアノ/ギター・ベース/クラリネット/プレゼントにおすすめの楽器)と、「全国楽器店員がお薦めする楽器にまつわる作品」部門、そして「店員とお客様が選んだ今年のプレイヤー」部門(ピアニスト/ギタリスト・ベーシスト/クラリネット/プレイヤー特別部門ソロ/プレイヤー特別部門グループ)が設定され、6月から順次行われた投票の結果、各部門の大賞が決定。ヤマハ銀座スタジオにて表彰式が開催された。
表彰式は、島村楽器 代表取締役社長である廣瀬利明氏の挨拶に続き、「全国楽器店員が選ぶ今年の楽器部門」の表彰からスタート。各部門ごとにベスト3が発表され、大賞に選ばれたメーカー/輸入代理店の代表者が登壇。プレゼンターの全国楽器協会 会長 中田卓也氏からの表彰状授与の後、それぞれコメントを述べた。
ピアノ部門の大賞を受賞した「KAWAI CN201」は、タッチ・音・機能のすべてにこだわった、これからピアノを始める方に最適な電子ピアノ。細部まで弾き応えを追求した高性能鍵盤「レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ鍵盤(RHⅢ鍵盤)」を搭載し、押し始めの感触から重さ、底打ち感、戻り方、指が離れる瞬間まで、グランドピアノを忠実に再現。フルコンサートグランドピアノ「SK-EX」「EX」の全88音を丁寧に録音した、独自のプログレッシブ・ハーモニック・イメージング・テクノロジーによる音源(PHI音源)により、フォルティッシモからピアニッシモまでのスムーズな音の変化を存分に楽しむことができる。さらに、小さい音量で演奏する際、聴き取りづらくなる弱打の音質や低音・高音を自動で調整してくれるため、大きな音を出せないシチュエーションでも、しっかりと音を捉えて演奏することが可能となっている。投票した楽器店員からは「とても優しい見た目で、目に入ると弾いてみたいと思わせてくれる」「コストパフォーマンスの高さと、どんな部屋にもなじむカラーバリエーションで、誰にでもおすすめできるピアノ」などの声が寄せられていた。
ギター・ベース部門の大賞を受賞したのは「Yamaha REVSTAR ELEMENT RSE20」。バイクのカスタム・ジャンルの一つである「カフェレーサー」のスタイルをイメージしたカラーバリエーションが目を引くこのモデルは、ヤマハ独自の音響解析プロセス「アコースティック・デザイン」をもとに施されたチェンバー加工により、豊かな鳴りとボディの軽量化を実現している。従来のコイルタップに比べ音量差・ノイズを抑えつつ、ブライトなトーンを得ることができる「ドライスイッチ」回路を搭載。プッシュ/プル式のトーン・ノブにより回路のON/OFFが切り替え可能だ。このドライスイッチと、アルニコVマグネットを使用したヤマハ独自開発のハムバッカー「VH3」とのコンビネーションにより、幅広い音楽ジャンルに対応できるギターとなっている。楽器店員からは「とにかく見た目がかっこよく、価格もリーズナブル」「チェンバー構造により軽量化されているためビギナーにおすすめしやすい」といった意見が寄せられていた。
クラリネット・システムの最高傑作と称される「Buffet Crampon R13」がクラリネット部門大賞の栄冠に輝いた。 1955年にロベール・カレによって開発されたR13は、「ポリシリンドリカル(異なる内径を持つ複数の円筒管からなる形状)」を世界で初めて採用。それまで常識とされていた「シリンドリカル(円筒型)」な形状のクラリネットと比較して、音質や音程が飛躍的に改良され、その後誕生する全てのクラリネットの内径がポリシリンドリカルになったほどの成功を収めた。豊かで芯のある音色を持ち、オーケストラ、吹奏楽から室内楽やジャズまで、あらゆるステージに対応可能な世界的なロングセラーモデルとなっている。投票した楽器店員からは「長年に渡り学生から大人まで幅広く愛されているモデル」「これぞビュッフェ・クランポンという王道モデル」など、同モデルへの信頼が伺えるコメントが寄せられていた。
プレゼントにおすすめの楽器部門では、「明和電機 オタマトーン」が大賞を受賞した。「オタマトーン」は尻尾と顔のある、音符の形をした不思議な電子楽器。尻尾の黒い部分を押すと音が出て、押す場所によって音程を無段階で変えることができる。愛嬌のあるシリコン製の顔の「ほほ」部分を押すと口がパクパクと開閉し、エフェクターのワウ・ペダルのようなサウンド変化を楽しめる。「贈った人ももらった人も笑顔になれるおもしろ楽器で、発売当初から親しまれている」「老若男女問わず音を鳴らせてユニークな音色がみんな笑顔にしてくれる」といった声が寄せられ、愛されている様子が伺えた。
「全国楽器店員がお薦めする楽器にまつわる作品部門」は、東映アニメーション作品「ガールズバンドクライ」が大賞を獲得。「正真正銘のロックアニメで、見ていると楽器を弾きたくなってくる」「リアルバンドと連動していて、楽曲が本当に素晴らしい」など、多くのコメントが寄せられていた。
「店員とお客様が選んだ今年のプレイヤー部門」は5部門で、全国楽器店員および一般ユーザーによる投票により、まらしぃ、かずき、辻本美博、妹尾美穂、ブレーメンの音楽隊がそれぞれの部門の大賞に輝いた。
4回目の開催となった今回の楽器店大賞も大盛況の内に幕を閉じた。今後もきっと素晴らしい楽器やプレイヤーが楽器業界を盛り上げてくれるだろう。次回はどんな楽器や作品に出会えるのか、今からワクワクしながら、これからも音楽を楽しんでほしい。