AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Momose/MC-SAKURA SP’24/E
2024年で10周年を迎えた桜モデル。そのアニバーサリーを記念するエレクトリック・ギターがモモセから登場した。これまでバッカス、セブンティセブン、STRも含め、ディバイザーが誇る5つのブランドで作られてきた桜モデル。ここではモモセから新たに登場した、椨桜を使ったアニバーサリー・モデルを紹介していこう。これまでの集大成としての高い完成度を誇るが、今後のさらなる飛躍も感じさせてくれるギターに仕上がっていた。
今回10周年のアニバーサリー・モデルに使われた材料のひとつが、このタブザクラ。クスノキ科タブノキ属の常緑高木だが、木質などが桜に似ているためタブザクラと呼ばれる。
硬度もあり乾燥や加工がトップ・クラスに難しいという。しかし、美しいフレイム杢が出る材もあり、音質面でも芯のあるトーンが得られる点が魅力だ。
宝石のように美しい杢目が印象的な桜ギターのアニバーサリー・モデル。トップに使われた椨桜は、桜に似た木質のタブノキ。非常に硬質で、乾燥や加工に手間はかかるが、このモデルに使われた材のように、ワイルドなフィギュア杢が出るモノもある。
トップには、SKP(サクラピンク)と名づけられた淡いピンクのシースルーカラーが吹かれ、春の温かな陽気で踊る桜をイメージしているようにも感じられる。ボディ・バックはアルダーの2P。椨桜は写真のSTタイプに加え5モデルが製作され、好みに合わせて選べる点も嬉しい。
ブラックのピックガードとヘッドには、桜モデルが10 周年を迎えられたことへの感謝と、さらなる飛躍が込められた鶴のモチーフが入っている。エボニーの指板に施されたインレイは、桜が舞い散り葉桜となっていく様子が表現され、春のワン・シーンを想起させる。
ピックアップはSSH仕様で汎用性も高く、オリジナルのVS-1がフロント&センター、“BEANO”と名づけられたハムバッカーがリアに付く。どちらも癖のないビンテージ・タイプで音抜けも良いため、エフェクターを使って音作りをするタイプのギタリストにもオススメだ。
MT-SAKURA SP’24/E
鶴のモチーフが入ったブラックのピックガードとゴールド·パーツの対比が、椨桜の杢目をグッと引き立てているTLタイプ。弦は裏通しで、良質なアルダー2Pで作られたバックにはコンター加工が施されている。ピックアップはモモセ“VT-1”で、鳴りの良さを十分に引き出してくれる。コントロールは1ボリューム、1トーンとシンプルだ。
MMG-SAKURA SP’24/E
椨桜モデルはMTタイプも製作された。MTシェイプは、エントリー·モデルというイメージもあるが、椨桜のフィギュアとゴールド·パーツで高級感のある仕上がりだ。スケールは24インチ(610mm)が採用され、小柄なギタリストでも弾きやすい。ピックアップはモモセの“VM-5F”。シビアなセッティングで演奏性も高い。
MJG-SAKURA SP’24/E
京桜にはないJGタイプのモデル。左右非対称のボディ·シェイプは、立体的で美しい椨桜の杢目と相まって、見た目のインパクトを生んでいる。またプリセット·トーンやピックアップのオン/オフなどのプレートも、ゴールド·パーツが輝く。ピックアップはモモセの“Twang 60JG”。スケールは24インチ(610mm)を採用している。
MJM-SAKURA SP’24/E
細部まで丁寧に作られていることを感じるJMモデル。ピックアップはオリジナルの“HOT ROD60 JM”を採用し、木材の組み合わせとも相まって、クリアなハイ·ミッドの響きが心地いい。ボディ·バックは、STタイプ同様ハイ·ポジションまで弾きやすい加工が施されている。10周年記念モデルはどれも限定生産で、これは8本のみ作られた。
本記事は、『ギター・マガジン2024年8月号』(2024/07/12発売)に掲載された「Sakura Model 10th Anniversary 2014-2024~桜モデルで羽ばたくディバイザー社の革新」を抜粋/再編集したものです。誌面ではさらに、飛鳥ファクトリー加工責任者高取裕二氏へのQ&Aや、これまでに作られた数々の桜モデルを紹介するコーナーも掲載。
詳細はこちら:https://www.rittor-music.co.jp/magazine/detail/3124111004/