AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Momose/MC-KYOZAKURA SP’24/E
2014年に作られたウクレレから始まった桜モデルは2024年で10周年を迎えた。インレイやフィニッシュも含めた“和”を感じさせるデザインは、桜材の魅力を最大限に引き出してストーリーを描き、記憶に残るギターに仕上げられている。ここからはアニバーサリーを記念してモモセから登場した、京桜を使ったアニバーサリー・モデルを紹介していこう。ディバイザーの桜ギターは今後どんな物語を紡ぐのだろうか。ますます楽しみでならない。
日本の美を象徴する古都、京都府産の桜。
写真のギターのように、サップにも似た白い木地を中央に配置することで、独特なグラデーション・カラーを生み出している。同じ種類の桜であっても、産出地によって個性が異なっていて、それをギター作りにも生かしている。
今後も様々な地域の桜材がギターに使われるはずだ。
紫色のグラデーション・カラーが美しい“京桜”モデル。STシェイプのボディ・トップには、日本の美が感じられる古都、京都産の貴重な桜材を使っている。さらにサップのような白い部分をボディ・センターに使う木取りで、材の個性を楽しめるデザインが印象的だ。ボディ・バックには良質な2Pのアルダーが組み合わされている。
レトロなセルロイドのような質感のアクリル製ピックガードもフィニッシュと絶妙にマッチし、ゴールド・パーツが気品の高さを演出してくれる。ピックガードに入れられた、桜モデルの代表的なモチーフのひとつ、和傘の女性とロゴも素敵なアクセントだ。エボニー指板に入るインレイは、京都を流れる鴨川からイメージを得たといい、季節の変わり目に舞い散る桜の花びらが川面をたゆたう様が目に浮かぶようでもある。インレイなどのデザインからストーリーを感じさせてくれる点も、桜モデルの大きな魅力。
25.5インチ(648mm)のネックはサーモ・メイプルが使われ、艷のある高域の出音につながっていた。ピックアップのVS-1は癖がなくナチュラル。組み込みの良さもあり演奏性は抜群で、音のレスポンスも速いため、幅広いプレイ・スタイルに対応してくれる。
MT-KYOZAKURA SP’24/E
紫のグラデーション・カラーとゴールド・パーツの組み合わせが印象深い、TLタイプの京桜モデル。トップに京都府産の桜、バックにはアルダー2Pが使われた組み合わせは、他の京桜モデル同様。ピックアップはモモセ・オリジナルの“VT-1”。コントロールはボリューム、トーンとなり、3ウェイ・トグル・スイッチを用いたピックアップ・セレクターも特徴だ。
MJM-KYOZAKURA SP’24/E
こちらはJMタイプの京桜モデル。モモセ・オリジナルの“HOT ROD60 JM”が2つ付き、ブラックのピックアップ・カバーが付けられている。コントロールはボリューム、トーン、さらに3ウェイのトグル・スイッチが付く。またプリセット・トーンも装備。ボディ・トップに京桜、バックにアルダー2Pという組み合わせは変わらない。
本記事は、『ギター・マガジン2024年8月号』(2024/07/12発売)に掲載された「Sakura Model 10th Anniversary 2014-2024~桜モデルで羽ばたくディバイザー社の革新」を抜粋/再編集したものです。誌面ではさらに、飛鳥ファクトリー加工責任者高取裕二氏へのQ&Aや、これまでに作られた数々の桜モデルを紹介するコーナーも掲載。
詳細はこちら:https://www.rittor-music.co.jp/magazine/detail/3124111004/