AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Bacchus/WOODLINE-HOLLOW SAKURA SP’24/E
国産ギター/ベース・ブランドBacchusが創立30周年、そして同ブランドのWOODLINEシリーズ“桜モデル”が10周年を迎えた。今回は2024年度の『ディバイザー大商談会』にて発表された、ダブル・アニバーサリーを記念する、希少な和材を使用した2モデルを紹介しよう。
国産ハイエンド楽器の代表格として名高い“STR Guitars”、手頃な価格帯で高品質なモデルも取り揃えた“Bacchus”、シニア・マスター・ビルダーの故百瀬恭夫氏の名を冠した“Momose”、アコースティック・ギターの老舗“Headway”といった数多くのブランドを傘下に持つ株式会社ディバイザーは、製品の要となる良質な木材を潤沢に保有することでも知られている。同社が、傘下ブランドそれぞれの限定モデルやニュー・モデルを一挙に発表する祭典が、『ディバイザー大商談会』(以下、大商談会)である。
2024年5月に開催された大商談会は9回目にあたるが、同社では2014年からアコースティック/エレクトリックを問わず、各ブランドのギター、ベース、ウクレレに国産の桜材を用いた“桜モデル”を発売しており、今年はその桜モデルの10周年。2024年度の大商談会における目玉となっていた。桜には野生種と交配種を合わせると数百もの種類が存在するが、同社ではもちろんそのなかでも楽器用のトーン・ウッドとして使用できる特性を持った、山桜やソメイヨシノ、枝垂れ桜、水目桜、朱里桜、椨(たぶ)桜、神代桜といった樹種を使用している。これらがハイエンド・モデルも含むアコースティック・ギターのボディ(サイドおよびバック)という、楽器の性能を左右する重要箇所に採用されているということからも、桜材がローズウッドやマホガニー、メイプルといった伝統的なトーン・ウッドに比肩し得るポテンシャルを備えていることがわかるだろう。一方、ソリッド・ボディのエレクトリック・ギターやベースでは、特徴的な杢を持った材がボディのトップに使用されている。
また、桜モデルでは桜材の使用ばかりでなく、指板やヘッドのインレイ、アコースティック・ギターのピックガードなどに、花そのものや花びらなど、桜に関係するさまざまなデザインや装飾が採用されているのも特徴。スペシャル・モデルの希少性ととともに、優雅で華やかな“和”の雰囲気も楽しむことができる。
2024年度の大商談会にて発表された、注目の桜モデルをピックアップ!
2024年度の大商談会で発表されたBacchusブランドの限定モデルとなる桜モデルのベースは、同ブランドの定番となるJタイプのWOODLINEをもとにした、4弦モデル“WOODLINE-HOLLOW4 SAKURA SP’24/E”と5弦モデル“WOODLINE-HOLLOW5 SAKURA SP’24/E”。Bacchusブランドの30周年と桜モデルの10周年を記念する、ダブル・アニバーサリー・モデルとなっている。
どちらのモデルも弦数以外の基本仕様は共通で、ボディのトップ材に富士山麓の枝垂れ桜を使用しているのが最大の特徴である。この材は、赤味がかった明るい地色にスポルテッド杢の柔らかい輪郭の縞模様が入っているのが外観上の特性だ。またモデル名からもわかるとおり、ボディはバックのアルダー材の一部をくり抜いたセミホロウ構造になっており、通常はエルボー・カットが施されるあたりに、桜の花びらをデザイン化したサウンド・ホールが設けられている。
指板はエボニーで、12および15フレットの位置には桜の花、その他のポジション・マークには桜の花びらをかたどったインレイが施されている。さらには、ヘッドも同じく枝垂れ桜のプレートを貼ったマッチング・ヘッドとなっており、表面にはBacchus Guitarsブランドの30周年、裏面には桜モデル10周年をそれぞれ記念するロゴが存在している。仕上げはラッカーで、基本はナチュラルだが、周辺がわずかに暗くなるような淡いバーストになっている。
ハードウェアに目を移すと、ゴトー製のブラック・パーツを基調に、木ネジ類とブリッジ・サドル、出力ジャックにはゴールドのものが採用されており、日本の伝統工芸である漆細工の品々を思わせる。漆黒のエボニー指板といい、ハードウェアの選択といい、桜材に合わせた“和”の演出にひと役買っていると言えそうだ。ピックアップはアルニコVマグネットを使用したオリジナルJタイプのBacchus ALV IIで、コントロールは2ヴォリューム/1トーン。トーンはノブを引っ張るとふたつのピックアップがシリーズ接続になるターボ・スイッチを兼用している。
価格:¥320,000
価格:¥340,000 (税別)