AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Fender
2019年にリリースされたVinteraシリーズがアップデートされ、“Vintera II”として登場した。ここではVintera IIの中から4モデルをピックアップし、ギタリストの戸高賢史に試奏&インプレッションを語ってもらう。
フェンダー黄金期モデルの
ルックスとサウンドを再現
2023年9月に発表された新シリーズ。50/60/70年代の代表的な仕様とサウンドを元に設計しつつ、配線周りは現代プレイヤーに向けたアレンジが施されているのが特徴だ。2019年発表の前シリーズと比べ、指板がパーフェローからローズウッドに変わるなど、いくつかのアップデートが行われている。
↓Vintera IIを含む、フェンダー・ビンテージ・スタイルの特徴はこちらの記事をチェック!
育てがいのあるビンテージ・フィール。
ビンテージのフィールを持ちながらレンジの広さもある良いバランスで、個人的に好きなタイプのピックアップです。テンションを入れた和音も分離良く鳴ってくれました。歪みのノリも良く、サウンドメイクを突き詰めなくともすぐに活躍してくれるギターだと思います。弾いていく中でパーツ同士の共鳴が良くなっていくような、ポテンシャルが高く育てがいがあるギターだと感じました。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥159,500
ビルド・クオリティの良さを体感できる。
ネックは太すぎず、弾きやすいシェイプになっています。この価格帯とは思えないビルド・クオリティの高さで、最初の1本にもオススメできるモデルです。上達が早くなるかもしれませんね。テレキャスターらしいシャキッとしたサウンドですが、か細い印象ではなく、“良いテレキャスターはリアもちゃんと太い音がするんだ”とわかります。フロントもファットで、ジャジィなフレージングも映えますね。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥159,500
扱いやすいサウンドのリアが魅力的。
ほかのモデルと同じく、Vintera IIのピックアップの良さを感じられます。芯がしっかりとある太さなので、分離も良くてドライブさせた時の響きも良いです。ジャズマスターのリアは高域がキンキンしてしまうこともありますが、このモデルは扱いやすいサウンドで、アルペジオをキレイに聴かせるのにピッタリだと思います。メロウなトーンのフロントも良いですし、幅広いシーンで使える1本になっています。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥176,000
派手なルックスながら汎用性の高い弾き心地。
ブロック・インレイやバインディングがあるので見た目は派手な印象ですけど、弾いてみると色々な使い道が感じられるギターです。よくあるじゃじゃ馬なイメージとは違って非常に扱いやすく、意外でした。ショート・スケールなので軽いサウンドなのかと思いきや、ほかのVintera IIモデルと同じく芯のある太さを持つ響きになっています。特にフロントの甘いサウンドは魅力的ですね。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥192,500
一貫した信念を持っていて
フェンダーの本気を感じました。
テクノロジーの進化によって、エフェクターなどに関しては“良い時代になったな”と感じることがありましたが、ギター本体についてはそのように思うことはあまりなかったんです。でも、今回Vintera IIを弾いてみたところ、設計や組み上げのクオリティ・アップをしっかり体感できました。
どのモデルも一貫した信念みたいなものがあり、フェンダーの本気を感じるシリーズになっています。価格も抑えられているので、“どんなギターを買えばわからない”と悩んでいるビギナーの方は、まずVintera IIを選べば問題ないと思いますね。多彩なカラー・バリエーションも嬉しいポイントです。
一番印象に残っているのは50s Jazzmasterです。分離の良い響き、渋いルックスに惹かれますね。この1本と一緒に、色んな冒険をしていけそうな気がします。通常だったら、ついアッセンブリを交換したりしてみたくなるところですが、Vintera IIはこのスペックのまま、どのように育っていくのか見届けたくなる魅力を秘めています。
戸高賢史
とだか・まさふみ●ART-SCHOOLやMONOEYESやRopes、Crypt Cityのギタリストとして活動。そのほか数多くのアーティストのサポートも行なっている。また、エフェクター・ブランドPhantom fxも主宰するなど、幅広いフィールドで活躍。