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- 2024/11/16
Fender
フェンダー・ギターの黄金期と言える50/60/70年代モデルのルックスとサウンドを再現するシリーズ、Vintera II/American Vintage II/Made In Japan Heritage/Made In Japan Traditional。“フェンダー・ビンテージ・スタイル”と呼ばれるこれらのシリーズを、鷲山和希(Suspended 4th)に試してもらった。Part.2ではAmerican Vintage II/Made In Japan Heritage/Made In Japan Traditionalのレビューをお届けする。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥313,500
1960年代らしさ溢れる弾き心地とサウンド
弾き心地もサウンドも“60年代らしさ”が存分に出ているギターです。ビンテージ・ギターにある個体ごとの個性というのが、このモデルにも出ている気がします。リアは耳に痛くないのでカッティングでも使いやすいですね。ブルースマンにもオススメですし、ロック・バンドでソロを弾きまくる人にも合うと思います。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥313,500
フルレンジなリアは現代的アプローチもこなせる
まさにナッシュビル、カントリーといった雰囲気のフレーズを弾きたくなるテレキャスターです。出力は高いですが、リアでもジャキジャキしすぎることなくフルレンジで鳴ってくれる印象で、現代的なアプローチもできるギターだと感じます。今っぽいトラックの上でカントリーなフレーズを弾くようなスタイルも面白いかもしれません!
【SPECIFICATIONS】
Price:¥357,500
幅広いプレイに対応できる優等生なジャズマスター
カラーもネックのバインディングもかっこいいですね! 弾いてみると意外と優等生で、落ち着いたジャジィなサウンドから激しいロックなプレイまで対応できると思います。指板を広く感じられる弾き心地なので、いつもと違うボイシングのアイディアが生まれそうです。個人的には高域までしっかりカバーできるフロントの響きが気に入りました。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥192,500
ノンストレスなプレイアビリティが魅力
リアがとてもロックンロールに合うサウンドで、特に古めのロックを弾きたくなるギターですね。日本製だからなのか、日本人に合ったプレイアビリティになっていて、ロー・フレットからハイ・フレットまでストレスなく弾けることも魅力的です。リアはけっこう激しく出てくる音なので、ハードロックでぜひ使ってみてほしいですね。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥192,500
コード・プレイで活きる音の分離感
高級感ある見た目が良いですね。生音がそのまま出力されるようなイメージで、ニュアンスが出しやすいです。また弦のテンションが柔らかく、コードを鳴らした時に音の“ブリッ”とした部分が出てくれるので、バッキングにピッタリだと思います。ドロップ・チューニングにした時も音の分離感が良いので、激しいサウンドでも活躍できますね。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥192,500
重厚でジャキッとした音が心地良い
多くの人が持つジャズマスターのイメージはこういう音なんじゃないでしょうか。テレよりも重厚でジャキッとした音。その印象に苦手意識を持っている人もいるかもしれませんが、一度鳴らしてみるとその気持ち良さに気づくはずです。やはりオルタナでシューゲイズっぽい、激しめなサウンドを弾いてほしくなるギターですね。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥137,500
モダンかつ汎用性の高さがあるモデル
同じ日本製でもHeritageはビンテージ指向、このTraditionalはより汎用性が高くモダンなモデルになっている気がします。出したい音にアクセスしやすく、日本人に適した弾きやすさです。ブリッジ部分の質が良く、チョーキングした時に音高がピタッと止まってくれるのが好印象。特に邦楽に馴染みやすいサウンドになっていると感じます。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥132,000
弾き方でトーンをコントロールできる
弾いてみるとアコスタソニックに近いニュアンスを感じました。生音が素直に広がってくれるイメージです。ピッキング・ニュアンスが活かせるので、弾き方でトーンをコントロールする人に向いていますね。甘さのあるフロントの音が良く、ストロークやアルペジオで聴かせるシンガー・ソングライター的なプレイヤーにオススメできるギターです。
【SPECIFICATIONS】
Price:¥148,500
個性豊かなサウンドを楽しめる万能さ
誌面では伝わらないかもしれませんが、同じジャズマスターでもこのモデルが一番“和”を感じる見た目ですね。サウンドは、どのピックアップ・ポジションも個性を持った音。ジューシーかつキラキラしたフロント、透き通るようなミックス、高音域でも太さの出るリアと、1本で様々な音が楽しめる万能なジャズマスターです。
American Vintage IIは
ビンテージの個性をとらえている。
今回弾いたすべてのギターはビンテージをもとにしたモデルですが、シリーズごとの違いが明確に感じられました。最近は、“自分が弾けば自分の音になるし、ギターはなんでもいいんじゃないか”と考えていたんですが、実際にこれだけのギターを弾いてみると、そのギターだからこそ出てくるフレーズがあるということに気づき、改めてギターの面白さに気づかされましたね。
ビンテージ・ギターというのは、良くも悪くも1本ずつの個性が強く出ているものだと思っています。その感じをよくとらえているのが、American Vintage IIです。一方、Vintera IIはどのモデルでも近しい感触やサウンドが得られました。例えば、同じステージでVintera IIのギターを持ち替えて演奏してもスムーズにいくと思うんですが、American Vintage IIだとそれぞれの個性が強いため、弾く側がギターごとにアプローチを変えないといけなくなる気がします。でもその分、American Vintage IIのギターは強烈な印象を与えることができると思いますね。
精度の高い音を出したい人には
日本製がオススメ。
Made In Japanの2シリーズは、どちらも組み込みの精度の良さが伝わりました。Vintera IIもAmerican Vintage IIももちろん良いのですが、日本人に馴染みやすいという点ではやはり日本製に軍配が上がります。また、HeritageとTraditionalでコンセプトの違いもわかりやすかったです。Heritageはビンテージ寄りですでに完成されたサウンド、Traditionalはモダン寄りで自分でギターを育てるイメージ。個人的には自分なりの考えをギターへ反映させたいので、Made In Traditionalのほうが好みでしたね。
ビンテージへ強い憧れがあって、オールドなサウンドに信念を持っている人はAmerican Vintage II、初めての1本だったりオールマイティなモデルが欲しいという人はVintera IIをオススメします。プロのような精度の高い音を出したいプレイヤーは、Made In Japan HeritageまたはTraditionalがピッタリじゃないでしょうか。
現行のビンテージ系ストラトキャスターを鷲山和希(Suspended 4th)の試奏で聴き比べる無料イベントが、12月20日(水)に東京・FENDER FLAGSHIP TOKYOで開催!
鷲山和希
わしやま・かずき●2014年に結成された名古屋在住の4人組ロック・バンド、Suspended 4thのボーカル&ギター。65年製のビンテージ・ストラトキャスターを愛用する。