AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Tj Lab/CMA3
緻密なイコライジングを波形で視認しながら行なえるTj LabのCMA3は、プロの現場で活躍するアコースティック・ギター用D.I./イコライザー/エフェクター。さまざまな環境でアーティストをサポートするギタリスト古川昌義にとって、欠かせないアイテムとなっているようで、実際にどのように活用しているか聞いてみた。
Tj LabのCMA3は、16素子のパラメトリック・イコライザー&D.Iだ。ギターから入力されたアナログ信号は24bit/48kHzでAD/DAされ、内部処理は32bit Float。この機材は、開発者の上保徹志氏によってプログラムが作られ、なんと組み込みまで行なっているというから驚きだ。現場でこのCMA3を愛用しているギタリストの古川昌義に、今回改めてインプレッションを語ってもらった。
“最初に触った時は、正直難しいのかなと思いました。でも全体像がわかったら、すごく簡単に扱えます。僕らは仕事していると○○Hzを上げたいとか、下げたいとかがあって。これまでは耳で判断していましたが、このCMA3を使えば目で波形を確かめて、変更したい帯域にカーソルを合わせ、瞬時に音を変化できます。自分でモニターからの出音を細かに調整できるため、演奏がすごく楽になりましたね”。
イコライザーの調整は、タッチ・パネル式になっている液晶で行なえる。細かく調整したい時は16素子の画面を呼び出し、表示される波形を見ながら、変更したいポイントに合わせて音作りできる。またより簡単に調整できる4バンドEQも別画面で用意。時間がある時は16素子パラEQで音作りをして本体にあらかじめメモリーし、状況に合わせて4バンドで微調整するといった使い方も可能だ。さらにリバーブ、コンプレッサーも内蔵し、さらにブースト、ミュート、チューナー機能まで付いている。
“音を調整する際は、もともと使っているギターがどんな音で鳴っているか、それを知らないと調整が難しいですね。まずは基準となる音を知ることからスタートです。このCMA3を使いこなせれば、どんなシチューエーションでもひとりで対応できます。それが最大の魅力で、アコギの音作りはこれだけで十分なくらい。筐体も小さくて軽いですし、今ではずっと持ち歩いていて、なくてはならない存在です”。
機 能
仕様概要
*本製品の詳細は、Tj Lab officialとドルフィンギターズ商品ページをご覧ください。
本記事は、リットーミュージック刊『アコースティック・ギター・マガジン 2023年12月号 Vol.98』の記事を抜粋・転載したものです。今号巻頭特集は“アコギの神様”ことトミー・エマニュエルの大特集号。トミーが愛用するオーストラリアのメイトン・ギターズ特集など内容盛りだくさん。ぜひチェックしてみてください!
価格:¥99,000
古川昌義
ふるかわ・まさよし 7歳頃からクラシック・ギターのレッスンを受け始め、1976年に第一回ギター新人大賞選考演奏会で2位入賞、1978年にナルシソ・イエペスの来日中にレッスンを受けるなど、クラシック・ギターの王道を歩む。1981年にスタジオワークに目覚め、ポピュラー・ミュージックの世界にのめり込む。高橋真梨子、CHEMISTRY、Crystal Kay、鈴木雅之、岩崎宏美、辛島美登里、ASKA、CHAGE&ASKA、元ちとせ、中島みゆきなど、さまざまなアーティストのツアーやレコーディングに参加。TV/CM音楽やアーティスト・プロデュース、自身のソロ活動も同時にこなす。