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  • 古川昌義の演奏をサポートする高性能イコライザーTj Lab CMA3

古川昌義×Tj Lab CMA3

Tj Lab/CMA3

  • アコースティック・ギター・マガジン編集部 スチール&動画撮影・音声・編集:岩佐篤樹 取材・文:菊池真平

緻密なイコライジングを波形で視認しながら行なえるTj LabのCMA3は、プロの現場で活躍するアコースティック・ギター用D.I./イコライザー/エフェクター。さまざまな環境でアーティストをサポートするギタリスト古川昌義にとって、欠かせないアイテムとなっているようで、実際にどのように活用しているか聞いてみた。

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Tj Lab CMA3とは?

  Tj LabのCMA3は、16素子のパラメトリック・イコライザー&D.Iだ。ギターから入力されたアナログ信号は24bit/48kHzでAD/DAされ、内部処理は32bit Float。この機材は、開発者の上保徹志氏によってプログラムが作られ、なんと組み込みまで行なっているというから驚きだ。現場でこのCMA3を愛用しているギタリストの古川昌義に、今回改めてインプレッションを語ってもらった。

“最初に触った時は、正直難しいのかなと思いました。でも全体像がわかったら、すごく簡単に扱えます。僕らは仕事していると○○Hzを上げたいとか、下げたいとかがあって。これまでは耳で判断していましたが、このCMA3を使えば目で波形を確かめて、変更したい帯域にカーソルを合わせ、瞬時に音を変化できます。自分でモニターからの出音を細かに調整できるため、演奏がすごく楽になりましたね”。

 イコライザーの調整は、タッチ・パネル式になっている液晶で行なえる。細かく調整したい時は16素子の画面を呼び出し、表示される波形を見ながら、変更したいポイントに合わせて音作りできる。またより簡単に調整できる4バンドEQも別画面で用意。時間がある時は16素子パラEQで音作りをして本体にあらかじめメモリーし、状況に合わせて4バンドで微調整するといった使い方も可能だ。さらにリバーブ、コンプレッサーも内蔵し、さらにブースト、ミュート、チューナー機能まで付いている。

“音を調整する際は、もともと使っているギターがどんな音で鳴っているか、それを知らないと調整が難しいですね。まずは基準となる音を知ることからスタートです。このCMA3を使いこなせれば、どんなシチューエーションでもひとりで対応できます。それが最大の魅力で、アコギの音作りはこれだけで十分なくらい。筐体も小さくて軽いですし、今ではずっと持ち歩いていて、なくてはならない存在です”。

▲波形で目立った604Hzをカット/ブーストしてみる。

▲604Hzを-8dBカット。

▲604Hzを+14dBブースト。水色の線でカット/ブースト量を視認できるのでわかりやすい。

CMA3の主な機能

【4バンドEQ】“最も簡単に使うのであれば、この4バンドEQだけでも十分なくらい。どの帯域もわかりやすい調整ができます。可変幅も素晴らしいですよね。それに、現場で時間がない時にサッと調整するのに、すごく役立つモードです”。

【16素子パラメトリックEQ】パラEQは16素子もあるので,あまり使い慣れていない方は難しいかもしれませんが、慣れればむしろ簡単。例えば6弦を弾いた時、耳感上では嫌な音ではなかったですが、周波数を確認するとやや上がっていました。そのポイントが多過ぎると感じたら一番下の山に縦のカーソルを合わせ、その帯域がキツかったら、下げてあげればスッキリしますし、もし寂しかったら逆に上げればローが出てきます。波形を見ながら直感的に調整できます”。

【エフェクト】“リバーブは、すごく自然。サイズも調整できて、ルームからホール・リバーブまで変えられる点も便利です。あとコンプレッサーも付いていますが、これはカッティングからアルペジオに移る曲とかで使うと楽に演奏できます”。

【ブースト】“これは僕がリクエストしました。−20dBから+20dBまでセッティングできます。普段は+5dBくらいで使っていますが、これもストロークからアルペジオの時やソロ時に役立ちます。音質の変化も少ないですね”。

【ミュート&チューナー】“ボタンを長押しするとミュートされ、チューナーを使うことができます。暗いステージでも視認性が高く、針の揺れ幅があまりシビアじゃない点も使いやすい。基準ピッチも400〜480Hzまでセットできる点も便利です”。

【メモリー】“ギターごとであらかじめ気に入ったセッティングを決めておけば、会場などの違いとか現場でアジャストしやすいですよね”。

CMA3

機 能

  • バランス出力を持ちD.I.として機能
  • 4バンド・イコライザー,および16 素子パラメトリック・イコライザー
  • パラメトリック・イコライザー調整範囲=周波数:20Hz 〜 20kHz、ゲイン:-50dB 〜 +20dB、Q:0.1〜1378
  • 周波数スペクトラムとスペクトログラム表示
  • エフェクター:コンプレッサー,リバーブ
  • フットスイッチ:ブースト,ミュート,チューナー起動
  • 設定メモリー:設定状態を10 種記憶可

仕様概要

  • サンプリング・レート:48kHz,24bit ADC/DAC
  • 内部処理:32bit Float ・レイテンシー:1.8ms
  • 入力インピーダンス:1MΩ
  • 出力インピーダンス:2.5kΩ
  • 電源:DC6V~9V(ACアダプター使用)
  • 消費電流:220mA
  • スイッチ:ミュート/チューナー、ブースト、GND/LIFT、フェイズ
  • コントロール:ボリューム、ゲイン、SW-A、SW-B
  • 入力ジャック:フォーン
  • 出力ジャック:フォーン、XLR

▲入力フォーン、ACアダプター端子、出力フォーン、フェイズ・スイッチ。

▲GND/LIFTスイッチ。


*本製品の詳細は、Tj Lab officialドルフィンギターズ商品ページをご覧ください。

アコースティック・ギター・マガジン 2023年12月号 Vol.98発売中!

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製品情報

Tj Lab / CMA3

価格:¥99,000

【スペック】
・サンプリング・レート:48kHz,24bit ADC/DAC ・内部処理:32bit Float ・レイテンシー:1.8ms ・入力インピーダンス:1MΩ ・出力インピーダンス:2.5kΩ ・電源:DC6V~9V(ACアダプター使用) ・消費電流:220mA ・スイッチ:ミュート/チューナー、ブースト、GND/LIFT、フェイズ ・コントロール:ボリューム、ゲイン、SW-A、SW-B ・入力ジャック:フォーン ・出力ジャック:フォーン、XLR
【問い合わせ】
ドルフィンギターズ TEL:06-6310-6180 https://www.dolphin-gt.co.jp/
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プロフィール

古川昌義
ふるかわ・まさよし 7歳頃からクラシック・ギターのレッスンを受け始め、1976年に第一回ギター新人大賞選考演奏会で2位入賞、1978年にナルシソ・イエペスの来日中にレッスンを受けるなど、クラシック・ギターの王道を歩む。1981年にスタジオワークに目覚め、ポピュラー・ミュージックの世界にのめり込む。高橋真梨子、CHEMISTRY、Crystal Kay、鈴木雅之、岩崎宏美、辛島美登里、ASKA、CHAGE&ASKA、元ちとせ、中島みゆきなど、さまざまなアーティストのツアーやレコーディングに参加。TV/CM音楽やアーティスト・プロデュース、自身のソロ活動も同時にこなす。

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