ヤマハより、フラッグシップ・シンセサイザーMONTAGEシリーズの後継機、“MONTAGE M”シリーズが発表された。

　“MONTAGE M”シリーズの核となるのは、｢モーション・コントロール・シンセシス・エンジン｣と呼ばれるトータル音源システム。｢スーパーノブ｣や｢モーションシーケンサー｣をはじめとする多彩なコントロールソースで複雑な音の連続変化を生み出す｢モーションコントロール｣と、従来の｢FM-X｣｢AWM2｣に、新たに最大16ポリフォニックのバーチャル・アナログ音源｢AN-X｣を追加した3音源構成のハイブリッド音源を組み合わせ、相互作用により様々な方法でサウンドを生み出す画期的なシステムだ。

　音源部に新たに追加された｢AN-X｣音源は、3オシレーター(OSC)、1ノイズジェネレーター構成で、10タイプから選択できるフィルター(Filter)を2系統搭載。OSC3は、OSC1とOSC2をFM方式やリングモジュレーション方式で変調可能で、各OSCの出力をFilter1/2に入力するか、Filter1/2の後段に入力するかをそれぞれで設定することができる。AMPとFilterもそれぞれ独立したLFOを装備しているほか、｢Voltage drift｣と｢Ageing｣という独特なパラメーターを持ち、ビンテージ・シンセサイザー特有の不安定な挙動の再現をデジタルで実現した。自由度の高い変調方式や波形変形機能などと相まって、リアルなビンテージ・サウンドからエッジの効いた過激なサウンドまで、幅広い表現に対応した新しいバーチャル・アナログ音源となっている。

　また、ユーザーインターフェースも向上が図られており、フロントパネル左上部に｢セカンド・ディスプレイ｣が新しく追加され、オシレーター、フィルター、FMフリークエンシー、オペレーターレベル、エフェクトパラメーターといった各音源の主要なパラメーターをディスプレイ表示することで、直感的で素早い音作りとコントロール性を視覚的にサポート。

　さらに、フラッグシップ・モデルならではの高品位な鍵盤にも注目したい。MONTAGE M6(61鍵モデル)とMONTAGE M7(76鍵モデル)には、チャンネル・アフタータッチ対応のFSX鍵盤、そしてMONTAGE M8x(88鍵モデル)には新開発の｢グレード・ハンマー・エクスプレッション(GEX)鍵盤｣を搭載。この｢GEX鍵盤｣では、新しい鍵盤センサーを採用し、和音をホールドしたままキーごとに独立した音色変化が可能な｢ポリフォニック・アフタータッチ｣に対応。ピアニストが求める繊細なニュアンスの弾き分けから、｢モーション・コントロール・シンセシス・エンジン｣のポテンシャルを最大限に引き出すダイナミックなサウンドコントロールまで可能にした新しい鍵盤となっている。

　なお、“MONTAGE M”シリーズの正規登録ユーザーには、音源部の全てを再現したクローンソフトシンセ「Expanded Softsynth Plugin (E.S.P.)」が用意される。このプラグインによって、場所を選ばずMONTAGE MのPerformanceをエディットしたりミックスすることが可能だ。こちらは2024年初頭より提供開始の予定。

MONTAGE M6

MONTAGE M6

MONTAGE M7

MONTAGE M7

MONTAGE M8x

MONTAGE M8x