Positive Grid Spark LIVE meets Toshiki Soejima & Naho Kimama
- 2024/12/13
Positive Grid / Spark MINI
2020年に発売されたデスクトップ・アンプのPositive Grid Spark。多種多様なアンプ・モデル/エフェクターを使用でき、さらにバッキング・トラック生成や楽曲のコード分析まで行なえるという、まさに“次世代”と呼べる性能を誇るアンプだ。そのSparkの機能はそのままに、さらにコンパクトなボディとなったSpark MINIが登場した。今回は、シンガー・ソングライターの中田裕二にSpark MINIのサウンドと機能を体感してもらう。
2インチ・スピーカーを2基搭載する10Wデスクトップ・アンプ。専用アプリ(iOS/Android)を使うことで様々な機能へアクセスできる。アンプ/エフェクターを選択してサウンドメイクができるほか、バッキング・トラックを自動生成するSmart Jam、YouTubeにアップロードされている楽曲のコードを分析するAuto Chordsといった機能を搭載。USBオーディオ・インターフェースとしても使用可能だ。
専用アプリSparkの画面。GATE→COMP/WAH→DRIVE→AMP→MOD/EQ→DELAY→REVERBの順番でチェーンが組まれており、それぞれのカテゴリーで多種多様なアンプ/エフェクター・モデルを使用して音作りができる。作成したサウンドはプリセット・ライブラリーToneCloudで世界中のユーザーと共有可能。気に入ったプリセットがあれば自身のSpark MINIにダウンロードして使うこともできる。
低域がふくよかで迫力ある音が出せる
驚くくらい見た目が小さいですけど、そのサイズの中に驚くほどの機能が詰め込まれていますね。コントロールの多くを専用アプリで行なうという今どきの操作性になっていて、本体上はノブが3つだけととてもシンプルなデザインです。また、本体の底面にパッシブ・ラジエーターがあって、低域がとても良く響くんです。これまでのミニ・ギター・アンプでは出せないようなふくよかなサウンドが出せて、ギターを弾いている感じがしっかりと得られる迫力があります。
アプリの画面はエフェクター・ボードのようになっていて、好きなエフェクターやアンプ・モデルを選ぶことができます。アンプだけでも33種類あって、その選択肢の多さにまず衝撃を受けました。モデリング元のアンプの個性も忠実に再現されています。特に気に入ったのは、クリーンがきれいに出るBlack Duo、ビンテージな歪みのCheckmate、僕の好きなブルース・ロックに合うJM45というモデルです。アプリ上では、アンプもエフェクターも実機と同じような見た目で表示されるので操作に戸惑うことはないと思います。ノブの効き具合もわかりやすいですね。
孤独なギター練習が楽しくなると思います
YouTubeにアップロードされている楽曲のコード進行を分析してくれるAuto Chords機能も凄いです。今まで耳コピで苦労していた部分をこの機能が助けてくれるんじゃないでしょうか。自分の演奏に合わせてドラムとベースのバッキング・トラックを作ってくれるSmart Jamも魅力的です。ギターの練習ってどうしても孤独だと感じることが多いんですが、Spark MINIが一緒に演奏してくれるのでもう寂しくないですね。単純な8小節のループというわけでなく、曲の展開まで作ってくれるので、実際にライブをやっているような感覚でアドリブの練習ができると思います。
住宅事情から大きなアンプを鳴らすことができず、ミニ・アンプを使っている人も多いと思いますが、Spark MINIであれば小さいサイズながら迫力あるサウンドで練習が楽しめます。また、バッテリーで駆動するので、バッグに入れて旅先でも練習できるでしょう。ギタリストの日常に寄り添ってくれるアンプだと感じます。
Spark MINIの底面にはパッシブ・ラジエーターが備わっている。パッシブ・ラジエーターとは、筐体内の空気振動を利用して動作し、低域のみ再生するユニット。これにより、コンパクトなボディから出ているとは思えないほど、豊かなギターの響きを楽しめる。“ギターを弾いているという感覚がしっかりと伝わってくる”と中田もそのサウンドに驚いていた。
価格:¥33,000 (税込)
中田裕二
なかだ・ゆうじ●椿屋四重奏のボーカル&ギター/ソングライターとしてキャリアをスタートし、バンド解散直後からソロ活動を開始。自身のルーツである歌謡曲やニューミュージックを軸に楽曲制作を行なう。